ハッピー昭和クラブ

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話 あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話
あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

『タイガーマスク』アニメスタッフが最も心配したこと

ひとつ前の当ブログで書きましたが、テレビアニメ版『タイガーマスク』と原作マンガ版との最大の違いは、最後です。マンガの方は伊達直人が路上を歩いていて、転んだ少年を助けようとして自動車に轢かれあっけなく亡くなります。息を引き取る直前にマスクを川に投げ捨てますのでタイガーマスクの正体は誰にも知られず亡くなるのです。「ちびっこハウス」の子どもたちにとっても、伊達直人=「キザにいちゃん」が死んだとしか思っていなくて、姿を消したタイガーマスクについては「どこか遠い外国に行っちまったのさ」と、誰もタイガーマスクと「キザにいちゃん」を結び付けていません。うすうす「タイガーマスク」=「伊達直人」だと気づいている若月ルリ子さんだけは涙を流しています。それにしても、いつも「ちびっこハウス」を訪問した直人、服を着ているとはいえ、レスラーの肉体だからねえ筋肉は隠しきれないと思うがなあ。子どもたちの誰も気づかなかったとは……。

アニメでは、大門大吾が命を落とす「ビッグタイガー」「ブラックタイガー」とのタッグマッチ、さらに「キングタイガー」というレスラーとの死闘が続き、とうとう「虎の穴」のトップが「グレート・ザ・タイガー」として登場。正統派としても存分に実力を発揮したあと、タイガーマスクと最終決戦。持ち前の反則を連発し、最強のダーティ・レスラーとしてタイガーマスクの前に立ちはだかります。この辺、夢中で観ていたので頭の中は本当のプロレスのように感じ始めていました。今、思えば、こうしてアニメと現実の区別がつかなくなった感覚を持った子どもが多かったのではないでしょうか。後年、実物の「タイガーマスク」=佐山サトルが登場する土壌はこのあたりで作られていたのでしょうね。

アニメの方は「グレート・ザ・タイガー」の凶器攻撃でマスクが切れ、ついに伊達直人の素顔でリングに立つこととなります。正体がついにさらされるのがマンガ版と決定的に違うところです。「虎の穴に教えてもらったことを返してやる!」と、反則を繰り出し「グレート・ザ・タイガー」を倒しますが、それを恥じてタイガーマスクはリングを降り去っていきます。ついに正体が分からないまま終わるマンガ版は、子どもたちが「どこかにタイガーマスクはいるんだ」と思っている点で、ある意味「夢のヒーロー」として心に残るという終わり方ですから、アニメ版を作ったときのスタッフの一番の心配は、原作者の梶原一騎さんに怒られるんじゃないかということだったそうです。当時の梶原一騎先生といえば、絶対的な権威を持っていて、数々の武勇伝でも知られていました。もちろん、テレビアニメの後半の展開は了承をとってはいたでしょうが、正体不明のまま人知れずこの世を去ることに梶原ロマンがあって、最終回を全く違う形にするのはさすがに……と思ったのでしょう。しかし、梶原先生は了承し、いい終わり方だと褒めてくれたといいます。心配は杞憂に終わり、アニメのスタッフはホッとしたそうです。  (ジャッピー!編集長)


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『なつぞら』と『タイガーマスク』

8月30日の当ブログでちょこっと書きましたが、朝ドラ『なつぞら』でなつ(広瀬すずさん)が念願の作画監督になったのが『キックジャガー』というスポーツもののアニメです。ヒーローはキックボクサーですが、孤児院出身でマスクをかぶっているという設定はもちろん『タイガーマスク』をモデルにしています。これはもう間ックジャガー』は『タイガーマスク』と『キックの鬼』のハイブリッドといえるかもしれません。

『なつぞら』の劇中でも「まるでデッサンのような線だね」という科白がありましたが、僕もアニメの『タイガーマスク』を観たときは驚きました。それまでのアニメというのは、いわゆる「丸っこい」線が描かれていて、それが当たり前でしたから、荒々しい、まさに「デッサン」みたいな描線は斬新だったのです。「ぼくら」連載時から辻なおき先生の作画のマンガを読んでいましたが、こちらは正統的なマンガの線でしたから、最初は戸惑いましたが、観ていくうちに「プロレス」のシーンなどでは動きが流線形という感じで迫力があるように感じました。

マンガと別物という点では、ストーリーもアニメ独特の展開になっていき夢中で観たものです。おそらく、テレビの方がスピードが速いので、放映回数を考えると原作マンガだけだと、もたなくなってしまったのだと思います。「覆面リーグ世界戦」とか最初の方はマンガとほぼ同じでしたが、タイガーマスク=伊達直人と同じく「虎の穴」を抜け、狙われる方になったレスラーが出てくる後半はアニメ独自のストーリーでした。

「虎の穴」時代の直人の親友「大門大吾」、さらに伊達直人と同じような境遇の少年だった「高岡拳太郎」がそれぞれ最初はタイガーマスクへの刺客として送られるのですが、やがて「虎の穴」に反旗を翻し、「第2の裏切り者」「第3の裏切り者」として活躍するのです。この二人のキャラも立っていて、俄然面白くなりました。はっきり言って、マンガの方は平板なものに思えてしまうようになりました。

この3人が巨大組織「虎の穴」に抗する展開は、抜け忍の過酷な戦いを描く『カムイ外伝』のようなテイストを感じました。タイガーマスクと大門=ミスター不動は、「虎の穴」の幹部クラス「ビッグ・タイガー」と「ブラックタイガー」とのタッグマッチで致命傷を受け死んでしまうのですが、これが壮絶だったのが記憶にこびりついています。直人に負担をかけまいと、ひとりで「ビッグ・タイガー」と「ブラックタイガー」を捨て身で叩きつぶすのです。また、「イエローデビル」として悪役デビューした高岡はケン高岡となって正統派になりますから、まさにタイガーマスクの後継者のようになっていきます。

この辺の、原作を離れてストーリーを作っていくところも『なつぞら』でやってほしかったですが、そこまで突っ込むと収拾がつかなくなってしまうか……。 (ジャッピー!編集長)

 


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関東大震災のあの事件を描いた『大虐殺』

今日9月1日は「防災の日」。1923年(大正12年)に「関東大震災」が起こってから96年です。これから30年以内にも「南海トラフ」とか大きい地震がある可能性が言われています。普段、忘れがちですが、備えを心掛けておきたいですね。
「関東大震災」といえば、その混乱の中、「朝鮮人が暴徒となって反乱を起こす」というデマが流れ、憲兵によって朝鮮人や社会主義者の虐殺事件が起こったことも知られています。のちに満州に渡り暗躍した甘粕大尉によってアナーキストの大杉栄さんも殺されます。NHKで放映中の『いだてん』で、まだ金栗四三(中村勘九郎さん)が主演だった前半に「関東大震災」のシーンがありました。さて、この虐殺をどう描くか注目して観ていると、勘九郎さんが杉咲花さんなどを捜しまわっていると、自警団の男が怒号を浴びせます。金栗は熊本弁なので「何だ! その言葉は! さては日本人じゃないな!」と言われるのです。金栗の知り合いの人が説明してくれて事なきを得ますが、「井戸に毒がまかれた」とかデマが飛び交っていることが示されます。「日本人じゃないな!」という科白で処理しているのは上手いとみるべき
か、あるいはこれが表現の「限界」だったのかという見方もできると思います。さすがの宮藤官九郎さんもテレビでできるのはここまでだったのでしょう。
映画では、真正面からこの事件を描いた作品があります。タイトルもずばり、『大虐殺』(1960 小森白監督)という新東宝作品です。書生役の天知茂さんが昼飯時に牛めし屋に入ります。他の席の客(労務者が多い)たちの雑談は「不景気」を嘆くものばかりです。天知さんが注文すると大地震が起こります。時計は11時58分をさしています。新東宝というとチープな作品を思い浮かべてしまいますが、なかなかどうして迫力あるディザスター・シーンだったのを記憶しています。家屋が倒れ、柱の下敷きになってしまう母子もいます。
『ラストエンペラー』(1988 ベルナルド・ベルトルッチ監督)では坂本龍一さんが甘粕大尉を演じましたが、こちらの『大虐殺』では沼田曜一さんが扮してこれ以上ないほどの憎々しい演技を見せます。「これを機に国賊どもや朝鮮人を一掃しましょう!」と宣言、手当たり次第に検挙します。天知さんも監獄に送られてしまい、不当な拷問、(まとめて一斉に)銃殺する現場を目の当たりにします。あまりのひどさに近隣から不満の声があがると、朝鮮人や主義者たちを一旦トラックに乗せて釈放、荒川土手に放って一挙に機関銃で撃ち殺すのです。それはもう虫けらのように。あまりに残虐な権力のやり口に吐き気をもよおすシーンです。
天知さんはあやうく川に飛び込み、何とか大杉栄(細川俊夫さん)の家にたどり着きます。しかし、上野で捕まった大杉は取り調べ室で激高した甘粕大尉に首を絞められ剣を刺されて絶命します。ただの「殺人」です。さらに大杉の愛人の伊藤野枝さんも甘粕が「大杉に会わせてやる。あの世でな!」と言って絞め殺します。それどころか、それを見ていた子ども(大杉の甥っ子)まで……。まさに「大虐殺」なのです。
映画は、天知さんがこの権力の横暴に対し「テロしかない」と決断、穏健派との意見の対立などもありますが決行に意見は一致。(この間も爪の間にキリを刺す拷問シーンがあります)爆弾を持って陸軍省に忍び込みますが失敗。天知さんを慕う娘(北沢典子さん)が刑事に喋ってしまい、天知さんは追いつめられ捕まります。護送車の中で「これが権力のやり方か! 民衆は本当に苦しんでいるんだ! このまま社会が続くと思うなよ!」と悲痛に叫んで映画は終わります。
どうです? 今だったら
テレビ局も映画会社もすっかり腰が引けちゃっているから製作できないでしょうね。もし製作しても公開したら、「歴史修正主義者」の連中があれこれ圧力をかけるでしょうね。今年公開されたドキュメンタリー映画『主戦場』(2018 ミキ・デザキ監督)を観れば、火を見るより明らかです。言論の自由も表現の自由も失われたような今って、『大虐殺』に描かれた「関東大震災」の頃と同じですね。 (ジャッピー!編集長)


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『なつぞら』と『魔法使いサリー』

ひとつ前のブログで、朝ドラ『なつぞら』に登場した『百獣の王子サム』のモデルになった『狼少年ケン』のことを書きました。劇中でなつ(広瀬すずさん)が手掛けた『魔法少女アニー』のモデルはもちろん『魔法使いサリー』です。「マハリク マハリタ ヤンバラヤンヤンヤン」という、魔法を使うときの呪文はもちろん違いましたが、『なつぞら』の劇中にも呪文を唱えるヒロインの画が出てきましたね。これも東映動画が作ったアニメで、『狼少年ケン』や『風のフジ丸』の後ですね。なぜなら、この2作は白黒だったのに対し、『魔法使いサリー』はカラー放送だったように思うからです。「ように思う」というのはウチは相変わらず「白黒テレビ」で観ていて、画面の隅に「カラー放送」とあるのをちょっと悔しい思いで眺めていたからです。

横山光輝さんの原作マンガは少女向けだったと思いますが、アニメは僕もしっかり観ました。もちろん主題歌はそらで唄えます。♪魔法の国から や~ってきた ちょっとお茶目な女の子~ (こちらも小林亜星さん作曲です)リアルタイムの他、再放送でもずいぶん観たように思います。当時、NET(現・テレビ朝日)で毎年夏休み中は午前中に「夏休みマンガ劇場」みたいな枠でアニメを再放送していたからです。

サリーちゃんがカブ(弟と称していますが実際は家来)と暮らしているのですが、役所や児童相談所は調べに来ないのか、住民票はどうなっているのか、小学校の転入手続きはどうしたのか、あるいはサリーちゃんの親友「よっちゃん」、その父、三つ子の弟が似た顔なのはともかく、亡くなったお母さんの遺影も似た顔なのは何故? 近親婚?とか)だいぶヒネた見方をするようになっていましたが、よく出来たアニメだなあと思っていました。忘れられないのは最終回で、たしか学校が火事か何かで大変なことになってしまうのを、サリーちゃんがついに魔法をみんなの前で使って救うのがクライマックスでした。魔法使いであることがバレてしまい、もう人間界で暮らすことはできなくなってしまいます。けっこう長期間放送されていたので、何だか淋しくなったのを覚えています。「魔法」を使える女の子というのは形を変えながらも、アニメや特撮ものの定番というかキラー・コンテンツになっていきますね。そういう意味でも『魔法使いサリー』は大鉱脈を開いたアニメだったわけです。『なつぞら』ではなつが初めて作画監督するのが『キックジャガー』という設定ですが、たしか、奥山玲子さんが監督した回がいくつかあったと記憶しています。女性作画監督の登場という点でも歴史に残る名作アニメですね。

ちなみに、東武東上線で池袋から7つ目「東武練馬」駅の南口には「サリーちゃん」の画がかかっています。「アニメ発祥の地」という文字も書いてあります。それは、この駅の南口は練馬区(北口側は板橋区です)で、大泉に東映アニメーション株式会社があるからです。 (ジャッピー!編集長)

 

 

 


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『なつぞら』と『狼少年ケン』、『風のフジ丸』

朝ドラ『なつぞら』も残すところ約1か月となりました。早いものです。なつ(広瀬すずさん)もアニメ映画からテレビアニメの方にシフトして活躍しています。初めて手掛けたのが『百獣の王子サム』で、うっかりすると『ジャングル大帝』がモデルのように思ってしまいますが、レオは手塚治虫さんの作品ですから「虫プロ」制作ですね。『百獣の王子サム』のモデルは『狼少年ケン』です。僕は大好きで毎回欠かさず観ていました。当ブログ2018年4月30日「追悼・高畑勲さん」にも書きましたが、家で飼っていた犬に「ケン」という名前をつけていたぐらいです。♪ボボンがボンボン、ボンガボン~ ガッチリつかむぜ太陽 嵐はまた来る~と主題歌(小林亜星さん作曲)も頭にこびりついています。

同時期に放映していた『風のフジ丸』もよく観ていましたね。これも東映動画の作品で、同じNET(現・テレビ朝日)で放送されていました。僕は忍者ものが大好きで「少年サンデー」で横山光輝さんの『伊賀の影丸』、少年マガジンで白土三平さんの『ワタリ』を愛読、兄にいたっては自分で忍者マンガを描いていました。こちらも♪時は戦国 嵐の時代~ でっかい心で生きようぜ~ フジ丸~フジ丸~風~のフジ丸 少年に~んじゃ~ と、しっかり唄えます。そういえば、歌詞に「微塵がくれだ~火炎の術だ~」とあって、のちに『サスケ』を観たとき、サスケの得意の術が「微塵がくれ」だったので、反射的に『風のフジ丸』を思い出したのです。そういえば、『風のフジ丸』は番組の最後に忍法の説明があって、のちの『サスケ』でも時々同じような解説がありました。うろ覚えですが、『風のフジ丸』も白土さんが監修か何かしていたような気がします。

フジ丸は赤ちゃんのときにさらわれ、忍者として訓練されますが、自分を育てたのが悪の組織であると知り、悪だくみを阻止しようと活躍します。『仮面ライダー』でショッカーに改造された本郷猛みたいですし、子どものうちに忍術を仕込まれる点では『あずみ』(2003 北村龍平監督)の上戸彩さんや、忍者じゃないですが『レオン』(1994 リュック・ベンソン監督)のマチルダ(ナタリー・ポートマンさん)なんかも想起されます。

また、『風のフジ丸』は赤ん坊のとき離ればなれになってしまった母を探すという話も入っていましたが、戦争、空襲などで親や子どもを亡くしたりした人が作り手にいたのではないか、そういう方々の思いが反映しているのではないか……と穿った見方でしょうか。『狼少年ケン』は何故ジャングルで動物たちに育てられているのか失念しましたが、こちらも一種の「孤児」ですよね。『なつぞら』のなつさんが戦災孤児だったことを考えると、そういった受難の傷を抱えている人がまだ存在していたと想像できるのです。 (ジャッピー!編集長)


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1975年「空飛ぶ鯨」でデビューしたちゃんちゃこのメンバー。デビュー40周年を経て昭和の素敵な時代の歌や出来事を再発見
ジャッピー!編集長
映画雑誌「ジャッピー!」を主宰する編集長
映画や昭和歌謡に底知れぬ造詣を示す昭和博士
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昭和のあれやこれやをイラストにして解説。
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