国有地の不透明な売却で渦中にある大阪の幼稚園、園児たちに「教育勅語」を唱和させているということも話題になっています。ニュースによれば、運動会の宣誓で「安保法制」とか「竹島、尖閣諸島、北方領土」、「教科書問題」とかを園児に言わせていたとのこと、驚かされます。
「女番長 野良猫ロック」(1970 長谷部安春監督)では、新宿を縄張りにする右翼団体のボス(中丸忠雄さん)が部下に「葉隠」(だったかな?)を唱和させ、「お国のために命を捨てるのだ……」というような訓示をたれるシーンがありました。右翼団体といっても、ほとんど暴力団で、ボクシングの八百長試合でひと稼ぎしようと企んでいます。昨日の当ブログでも紹介しましたが、和田浩治さんが「組織」の力に憧れるあまり、親友のケン・サンダースさんに故意に負けるよう依頼しますが失敗、幹部の睦五郎さんに拷問を受けます。ここで和田さんは「こんな組織だったのか!」とやっと気づき、メイ(梶芽衣子さん)やアコ(和田アキ子さん)の助けで逃亡、睦さんの配下である勝也(藤竜也さん)率いる暴走族グループ・黒シャツ隊との抗争になります。20150516111512 (1)

ほとんどロケ撮影なので、冒頭の不良少女グループ同士の乱闘が行われる淀橋浄水場跡地の都会のど真ん中と思えぬ荒野、ゴミゴミした工事現場、都電の車両基地など、1970年当時の混沌した新宿の風景が貴重です。そして、何といっても、アコのバイクを勝也のバギーが追走するカー・アクションがすごいのです! 歩道橋をバイクが上り、地上から階段を降りて地下道をバイクとバギーが疾走していくシーンはゲリラ撮影だったそうで、通行人があっけにとられるように見送るところもとらえられています。この後、道交法改正の名のもとで、新宿西口広場(フォークゲリラの集会で有名)が「西口通路」と名前を変えされられるので、もうこんな撮影は出来ないでしょう。
劇中、メイが「何でも好き勝手ができるのがこの街じゃなかったのかい」という台詞をはくシーンがあります。それに対して睦さんが「その自由ってのが気に食わないんだ」と答えます。「広場」を「通路」に変えるような、権力による管理体制、支配が形として表れてきた時代の空気が濃厚に滲み出ます。そんな「権力」に対するパセティックな戦いに10代の僕はすっかりガツンとやられてしまいました。当時、坂口安吾の「文学とはそれ自体、反逆行為だ」なんて言葉に共鳴していたので、「映画も反逆行為でいいのだ!」と思った僕は以後、映画にはまり込んでいきます。
この映画は「土曜日午后」から「月曜日朝」(ラストシーンがまたいい!)までの話なんですが、その時間経過を示す文字がグリーンやピンクの画面で明滅したり、登場人物のバックが突然単色カラーになったり(清順さんの影響?)、梶さんと和田さんが話す場面のスプリット画面など、技巧もイカしてました。黄色いレイバンをかけて高笑いする藤竜也さんの不敵さ、カミソリの刃を指に挟んだ范文雀さん、そして何と言っても梶芽衣子さんのカッコよさ! 僕の生涯の夢は梶さんと「禁じられた一夜」をデュエットすることです。     (ジャッピー!編集長)
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