「野良猫ロック マシンアニマル」(1970 長谷部安春監督)で、昨日も触れたノボ(藤竜也さん)とマヤ(梶芽衣子さん)と静かに話すシーン、ノボが「何でここまでしてくれるんだい?」と尋ねると、マヤは「行ける人間は行った方がいいだろ、それだけさ」と答えます。この台詞に「ここではないどこか」へ行こうとする者への共感と羨望が滲み出る良いシーンでした。さらにここで梶さんが唄う「明日を賭けよう」という曲が素晴らしい!名曲です。 ♪星の孤独を知ったとき はじめて涙が出るという~ という歌詞がこのシーンにピッタリでした。
この作品は音楽面が充実していて、青山ミチさんの「恋のブルース」の他にも、女性ヴォーカルのGS「沢村和子とピーターパン」のステージ演奏が見れますし、「ズー・二ー・ヴー」が「ひとりの悲しみ」を唄うシーンもあります。 この「ひとりの悲しみ」の歌詞を変えて翌年大ヒットしたのが尾崎紀世彦さんが唄った「また逢う日まで」です。(当ブログ3月7日「悪魔のようなあいつのGS的キャスト」参照) 「ズー・ニー・ヴー」はこの映画の前年1969年に「白いサンゴ礁」のヒットを飛ばしたGSですが、ヴォーカルは町田義人さん。のちに「野性の証明」(1978 佐藤純彌監督)の主題歌「戦士の休息」で復活します。独特の高いヴォーカルで唄う「ひとりの悲しみ」も尾崎さんとまた違う味があります。町田さんをアップで捉えたショットもあったと記憶しています。
それから、太田とも子さんが2曲歌っています。太田とも子さんは梶芽衣子さんの実妹です。梶さんは1969年にマキノ雅弘監督のすすめで改名する前は本名の「太田雅子」で活動していました。さて、太田とも子さんがこの映画で
歌った2曲「恋はまっさかさま」ダウンロード (50)
「とおく群集を離れて」とも作曲は宇崎竜童さんです。「ダウンタウン・ブギウギ・バンド」(1973年デビュー)よりずっと前、宇崎さんはまだGS「ガリバーズ」のマネージャーとかやっていた頃でしょうか。まったく無名の頃ですがいい曲です。宇崎さんはこの8年後、俳優として「曽根崎心中」 (1978 増村保造監督)で梶芽衣子さんと共演することになります。
そういう「縁」の話でいうと、この映画で助監督を務めた田中登さんがのちに撮った「人妻集団暴行致死事件」(1978 田中登監督)の主演・黒沢のり子さんは、マヤが率いる不良少女グループの一人として出演しています。さらに、このグループには市川魔胡さんもいます。のちに松田英子さんと名前を変えて「愛のコリーダ」(1976 大島渚監督)で阿部定を演じます。この「野良猫ロック マシンアニマル」で共演したときは、まさか6年後、藤竜也さんとハード・コアをするとは思いもしなかったでしょう! 
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梶芽衣子さんが女優賞を総ナメした「曽根崎心中」、ロマンポルノながら日本アカデミー賞作品賞にノミネートされた「人妻集団暴行致死事件」(授賞式で富司純子さんが恥ずかしそうに紹介していました)、カンヌでも絶賛された「愛のコリーダ」と、70年代後半の名作を生み出す「縁」がこの「野良猫ロック マシンアニマル」に張りめぐらされておりました。    (ジャッピー!編集長)
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