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ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の登場というのは、本当に画期的なものだったと思います。かつて、アルバムといえば、ヒットしたシングル曲を寄せ集めたものか、ヒット曲にとりあえずカヴァー曲などをつけて曲数を埋めたようなものでした。それが、シングル曲(この当時で言えば、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」+「ペニー・レイン」)を入れず、1枚のアルバムをトータルに聴けるものとして製作したのですから、当時のレコード業界の常識を覆したものだと思います。
ビートルズは、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」以前にも「ラバー・ソウル」「リボルバー」といったアルバムに「恋を抱きしめよう」+「デイ・トリッパ―」とか「ペイパーバック・ライター」+「レイン」といったヒット・シングル曲を入れずにアルバムのカラーを重視したものを作っていました。「ラバー・ソウル」はソウルフルなサウンドが特徴的だったし、ダウンロード (80)
さらに「リボルバー」は社会的背景が見える歌詞、そして何よりも、サウンド・エフェクトを用いたり実験的な要素が増え、それらはステージでの演奏を前提にしないものだったのです。ダウンロード (81)
実際、1966年8月のサンフランシスコ公演を最後にビートルズはいっさいのライヴをやめてしまうのです。(武道館における日本公演はちょうどその2か月前)
そんな風に「ラバー・ソウル」「リボルバー」で、トータルなアルバムとしての独自性を打ち出したビートルズでしたが、それまでアメリカで販売権を持っていたキャピトル・レコードは、「リリースする枚数を増やそう」と考え、彼らのオリジナル・アルバムを再編集して発売していました。ビートルズのオリジナル・アルバムはだいたい14曲入っていたのですが、キャピタル盤はだいたい11曲。浮いた曲で別のアルバムを作ったりのいわば「薄ーいウイスキーを何杯も売る」ような作戦だったのです。この「ラバー・ソウル」「リボルバー」の2枚もバラバラに解体してシングル曲や「ヘルプ!」のB面に収められていた曲も動員して「ラバー・ソウル」「イエスタデイ・アンド・トゥデイ」「リボルバー」の3枚に仕立て上げます。「ラバー・ソウル」「リボルバー」もタイトルはそのままですが、オリジナル盤とは全く異なるものとなってアメリカでリリースされます。「イエスタデイ・アンド・トゥデイ」の有名な「ブッチャー・カヴァー」は、自分たちのアルバムを‟切り刻んだ”キャピトル・レコードへの痛烈な皮肉だったという見方もあります。
そこで、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、架空のバンドのショーという設定を作り、オープニング、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」から、エンディング「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)」、そしてアンコールという設定の「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」という曲順で、‟切り刻まれる”ことが出来ない「コンセプト・アルバム」を完成させたのです。「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」から「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」へのつなぎ、つづく「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」へと、流れるような展開、本当に1枚通して聴いて1つの作品
という印象があります。ロック・ミュージックが、アートとして認知される嚆矢となったし、「コンセプト・アルバム」という点で、他のアーティストにも影響を与えました。
その「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のリリースから50年。じっくり聴き直してみたいですね。    (ジャッピー!編集長)
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