「東京ロマンス・ウェイ」(1959 吉村廉監督)と同じく東京タワーを舞台にした映画があります。「たそがれの東京タワー」(1959 阿部毅監督)という、やはり1時間あまりのSPで、内容も何だか似ているのです。
この作品で仁木多鶴子さん演じる京子は洋装店の従業員、お針子さん(←死語?)です。孤児院出身の19歳の京子はどことなく暗い感じで、友達も恋人もなく、着ているものは穴のあいたセーターです。他のお針子さんたちが土曜の午後に仕事を終えて(←半ドンです)遊びに行ったりしても、一人で部屋にいて鏡の中の「もうひとりの自分」に話しかけたりしています。
そんな彼女がお客様のオーダー服を拝借して夜の街に散歩に出ます。もちろん、勝手に商品を切るのは悪いことですが、普段と違う気分になった京子は東京タワーの展望台で知り合った工員の直樹(小林勝彦さん)に自分が金持ちの令嬢でデザイナーの勉強で外国に行くとかウソをついてしまいます。お互い意気投合し「土曜日にまた会おう」と約束したから、京子は毎週、お客様の注文服を拝借してデートに行くことになってしまいます。
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しかし、ついに店の服を着て出かけていることがお店にバレてしまいます。でも、店のオーナー(三宅邦子さん)は、孤独な京子の気持ちを理解してくれて慰めてくれます。
翌日、お店の使いで仕立て直しの服を持って邸宅を訪ねると、そこは直樹の実家。工員と言っていた直樹は実は大手自動車会社の社長の息子だったのです。お互いウソをついていたわけですが、本当のことを知って直樹にはもう会えないと思った京子はお店にも家にも戻りません。直樹の方は必死に父親を説得して京子との結婚を認めてもらい、京子を捜しまわります。そして、思い出の東京タワーで京子を発見、ハッピーエンドで幕を閉じます。
という風に、東京タワーで出会ったカップルが自分の身分を隠したり、ウソをついたり、何だか「東京ロマンス・ウェイ」に似ているのです。そして調べてみると、「東京ロマンス・ウェイ」は1959年2月11日公開の日活映画。その1週間後、2月18日に大映が「たそがれの東京タワー」公開です。当時、この類似は話題にならなかったのかなあ。僕はこの2本をラピュタ阿佐ヶ谷(普段1本立てですが、SPなので特別に)2本立てで観ましたので、よけいに類似性が際立ちました。
「たそがれの東京タワー」で印象的だったのは、「東京タワーの階段が何段あるか数えよう!」と直樹と京子が一緒に降りますが、京子は慣れないハイヒールのため途中で挫折、直樹が京子を肩にかついで降りるシーンです。この格好で階段を降りるのは大変だったろうなと思います。76117564

  (ジャッピー!編集長)
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