「八月の濡れた砂」(1971 藤田敏八監督)の公開時は、日活の経営がいよいよ行き詰まって人員整理などが提示された時期です。大きく宣伝もされず、キャストも無名の若手俳優が多く(原田芳雄さんや地井武男さんがちょこっと出るのは「これが日活最後らしいから藤田映画に縁のある人は1シーンでも出ろと声がかかった」からだそう)、ひっそりと公開されました。封切時は観客も集まらなかった作品でしたが、TBSの林美雄アナウンサーが深夜放送で絶賛、石川セリさん唄う主題歌をかけまくったりしたこともあって、名画座で若者たちに人気が出たのです。(←このことは当ブログ2016年12月13日「名画座と深夜放送と中川梨絵さん」にも書きました)

かくいう僕も名画座で観たのです。たしか併映は「赤い鳥逃げた?」(1973 藤田敏八監督)でした。名画座で観たので、不思議な感じがしたシーンがありました。映画の中で、不良少年の村野武範さんが、ガリ勉の少年をバカにし、挑発するシーンです。というのは、ガリ勉を演じたのは中沢治夫さん、のちの剛達人さんだったからです。そう、「飛び出せ!青春」で太陽学園のサッカー部・片桐を演じた人です。
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(昨日も貼っていただいた沖雅也さんが映っている「幻のスチール写真」でひとりだけ水着じゃない姿で映っていますね)
1972年2月から始まった「飛び出せ!青春」は僕の欠かさず視聴する番組でしたから、先生:生徒だった村野さん:中沢さんのイメージがかなり強く焼きつけられていました。その二人が同級生役で、しかも中沢さん演じるガリ勉が好意を寄せている女の子(隅田和世)さんのスカートの中に手を突っ込んで「俺が全部いただいちゃうぞ」と挑発する村野さんのワルぶり……あの河野先生が……と不思議な感じでした。何だかきっと、逆に、映画を先に観た人にとっても、「飛び出せ!青春」を観たときに違和感を覚えたことと思います。
時が経ち、村野さんは「くいしん坊、万歳!」のレポーターをつとめたのを機に旅番組によく出るようになります。
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(昨日の当ブログで紹介した「温泉に浸かって八月の濡れた砂のメロディを口ずさむ」エピソード、担当プロデューサーが「この番組の視聴者にはわからないよ」と大幅にカットされたというオチがつきます……)一方、中沢治夫=剛達人さんもさらに「剛たつひと」と改名して、ワイドショーのレポーターとして活躍するようになります。
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「八月の濡れた砂」→「飛び出せ!青春」と共演したお二人が別々の経路をたどり、同じようにレポーターになるというのも面白いものです。
(ジャッピー!編集長)

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