昨日の当ブログで、モップスがフォークとロックを縦断したなんてことを書いていたら、遠藤賢司さんの訃報が伝わりました。10月25日に70歳で亡くなりました。残念でなりません。
遠藤さんは1969年、シングル「ほんとだよ」でデビュー。
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当時はシンガーソングライターという呼び方もまだなかったので、「フォーク」のジャンルの人と言われていたと思います。同じような人が多かったと思いますが、僕は1971年に出たシングル曲「カレーライス」が遠藤さんを意識した最初でした。

カレーライスを食べているという日常の風景を切り取って呟くように唄われる中に、テレビに映る「三島由紀夫さんの割腹事件」すらも点景にしてしまう歌詞も印象に残りました。「カレーライス」が入っているセカンド・アルバム「満足できるかな」には他にも「ミルク・ティー」や「寝図美よこれが太平洋だ」などいい曲が入っていました。このアルバムにはバックに松本隆さん、細野晴臣さん、鈴木茂さんという「はっぴいえんど」の面々が参加しています。僕はこのセカンドを聴いてからファースト・アルバム「niyago」(←名曲「夜汽車のブルース」が入っています)に遡って聴いたのですが、いずれにしても、自分の周囲の私的な詞を書き歌う、といういわゆる「四畳半フォーク」というイメージでした。
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その後、しばらく聴いていなかったのですが、70年代後半に横尾忠則さんの描くジャケットの「東京ワッショイ」というアルバムを聴いて驚きました。タイトル曲の「東京ワッショイ」や、その後の遠藤さんのテーマ曲ともいうべき「不滅の男」のインパクト! 四畳半フォーク時代(?)の内向的な歌詞世界から一気に宇宙まで飛び出したような感じ。♪いつでも俺は最高なのさ~ 俺は不滅の男~と叫ぶのには衝撃でした。遠藤さんは「俺は何も変わっていないんだ」と言っておられるのを何かで読みましたが、衝撃が強すぎてピンときませんでした。
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それが、腑に落ちたのが、映画「不滅の男 エンケン対日本武道館」(2005 遠藤賢司監督)を観たときでした。遠藤さん自身が監督をつとめたドキュメンタリーで、無観客の武道館でたった一人で歌うのです。この前代未聞のコンサート?を、会場準備、リハーサル、時に中断して打ち合わせをしたり、まさに「武道館」を相手に立ち向かう姿を追っています。で、そのステージのセットがアンプを富士山のように積み上げた横に、日常感たっぷりの四畳半があるのです。ああ、ごく私的な半径何メートルかの四畳半空間は世界へ、いや宇宙へつながっているのだなあと妙に納得したのでした。自転車に乗って登場し、唄い倒していくエンケンさん、フォーク・ギターをこんなにかき鳴らす人はそれまでいなかったように思います。

フォークからロック、あるいはパンクと言われる遠藤さんですが、もうそんなジャンル分けでは収まりません。ご本人は「純粋音楽家」と称しておられましたが「遠藤賢司」さんという唯一無比の存在でした。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。289d9c16dfd896fc79f91afeb2592ffb
   (ジャッピー!編集長)

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