ハッピー昭和クラブ

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話 あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話
あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

2017年03月

松方さんの眠狂四郎~大映の色調の中で

神山繁さんが悪役として妙演をみせた映画に「眠狂四郎 円月殺法」(1969 森一生監督)があります。ちょうど、新文芸坐の「追悼・松方弘樹」特集でやっていたので観てきました。「眠狂四郎」といえば、市川雷蔵さんの当たり役ですが、大映が病気で倒れた雷蔵さんの穴を埋めるべく東映から松方さんを招き、松方版眠狂四郎が登場したのです。(当ブログ2月18日「松方さんの大映移籍」を参照)
さて、この映画は冒頭、狩りに出た川津祐介さんが薪を集めに来ていた娘に襲いかかり犯すというシーンから始まります。実はこの川津さんは、次代将軍・家慶の双子の弟・敏次郎で、劇中「将軍家では双子を忌み嫌い、生まれた場合、片方を人知れず遠方に幽閉した」と説明されます。この敏次郎が本物の家慶(川津さんの二役)の寝所に潜入、拉致して自分が家慶になりすまします。このとき、家慶の寝間にある鎧が動き出し、中に敏次郎が入っていることが明らかになるシーンなど、おどろおどろしたムードがよく出ています。
この敏次郎のバックにいるのが神山繫さん演じる大目付で、ニセ家慶を操り自分が老中の座につこうと企んでいます。この「入れ替わり」の秘密を守るためには人を殺すことも厭わない冷酷非情な男です。
冒頭の場面にあったように好色・残虐な敏次郎に入れ替わったので、お世継ぎ様は乱交三昧です。急に性格が一変した殿を家臣がいさめますが、意見されて逆上した敏次郎が斬り捨てます。ある日、その家臣の妹(梓英子さん)が敏次郎の前に現れ「何ゆえ兄が乱心したと申されるか」と問うのですが、その可憐な姿を見た敏次郎に手籠めにされそうになります。そこに通りかかり梓さんを救ったことから狂四郎が関わっていくのですが、冒頭のシーンといい、川津さんが女を見たとたん好色のスイッチが入ったような目つきになる演技がすごいです。
家慶の乱行を幕府の恥と探っている公儀の女隠密(佐藤友美さん)なども暗躍したり、神山さんの用心棒・成田三樹夫さんとの対決など狂四郎の活躍でラスト、とうとうニセ家慶であることが露見します。すると、助けを求め見苦しい敏次郎を、もはやこれまでと神山さんが刺殺。潔い悪役ぶりの神山さんは狂四郎に刃を向け、もちろん負けますが、なかなかの立ち廻りを見せますし、屋敷の広い庭で倒れる死に様も絵になっていました!
やはり大映のセット、美術、照明などの技術が作り出す映像に独特の色調、艶があって素晴らしい!特に、千恵蔵さん、右太衛門さんの時代からスターを明るく照らす東映と違って、大映の陰影を強調した画作りは松方さんの新たな魅力を引き立てます。雷蔵さんのイメージがあまりに強いので分が悪いですが、松方さんの狂四郎も悪くないです。大映が倒産せず、、シリーズがもっと続けば松方さんの狂四郎像が確立され人気が出ただろうと思います。      (ジャッピー!編集長)

にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!

追悼・神山繫さん

昨日の当ブログで、近頃は山本薩夫監督作品のような骨太の社会派大作映画がないなあと嘆きましたが、そういう作品にふさわしい役者が揃えられないということもあるかと思います。70年代に政財界の癒着を告発した「華麗なる一族」(1974 山本薩夫監督)、「金環蝕」(1975 山本薩夫監督)、「不毛地帯」(1976 山本薩夫監督)の3作のキャストなど見てみると、佐分利信さん、仲代達矢さん、丹波哲郎さん、三國連太郎さん、田宮二郎さんといった主役クラスの大物俳優だけでなく、脇を固める俳優の層の厚さというものを改めて感じます。宇野重吉さん、西村晃さん、大滝秀治さん、稲葉義男さん、花沢徳衛さん、仲谷昇さん、中谷一郎さん、永井智雄さん、高橋悦史さん、鈴木瑞穂さん、久米明さん、北村和夫さん、神田隆さん、小沢栄太郎さん、加藤嘉さん、高城淳一さん、福田豊士さん……こういた方々が政治家や官僚、資本家やその周辺に蠢く食えない連中を演じたので、しっかりドラマが構築できたのです。みなさん、一筋縄ではいかないと感じさせる「大人」の顔を持っていましたね。
上にあげた山本薩夫監督の3本すべてに出演された神山繁さんなど、そういった「大人」の役者の代表的な方ではないでしょうか。images
その何事にも動じず、冷静にことにあたるような落ち着いた佇まい、知的な雰囲気は、権力側にいれば、いかにも合理的に物事を処理する有能な人物として手ごわそうです。「太陽を盗んだ男」(1979 長谷川和彦監督)にもたしか内閣の秘書官か何かで出ておられました。「激動の昭和史 軍閥」(1970 堀川弘通監督)では近衛文麿の役でした。気品があるから、上の立場の役柄を演じられることが多かったのでしょう。
そんな神山さんですが、無国籍アクションで小林旭さんのライバルを演じたこともあります。「風に逆らう流れ者」(1961 山崎徳次郎監督)です。「渡り鳥」シリーズ(1959~1962)と同時期にほぼ同じような設定で5本作られた「流れ者」シリーズの最終作です。この両シリーズで旭さんのライバルといえば、宍戸錠さんがあまりにも有名なので、神山さんのキャスティングにちょっと違和感を覚えましたが、これが悪くなかったのです。黒づくめの服装で旭さんと銃の腕比べをするのですが、このシーンのガンさばきも決まっていたし、錠さんとは違ったキザな感じ、何というかスタイリッシュなんです。
ビシッと仕立てのいいスーツで決めれば英国紳士みたいに似合っただろうなあと思います。例えば、007やナポレオン・ソロみたいな映画に出てもぜんぜん違和感ないような。かつて進駐軍の通訳もつとめていて英語も堪能だった神山さん、「ブラック・レイン」(1989 リドリー・スコット監督)にも出ておられましたが、時代が時代なら、もっと外国映画に出ておられてたかもしれません。index

今年1月3日に亡くなった神山繁さん、いい役者さんでした。心よりご冥福をお祈りいたします。
(ジャッピー!編集長)
にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!

今も昔も不毛地帯

昨日、森友学園の籠池理事長の証人喚問がありました。参考人招致と違って、偽証罪にも問われる証人喚問の席で思いのほか堂々と発言しており、開き直ってぶちまけてやるという感じがしました。今までの国会の答弁での安倍晋三首相や稲田朋美防衛大臣の異常なまでにムキになっている様子、焦りが隠しきれないのとは好対照です。証人喚問といえば、昭和世代にとっては「ロッキード事件」が思い出されます。旅客機の受注をめぐる疑獄事件で田中角栄・元首相の逮捕という事態になりました。捜査が進む中で、事件を追っていた新聞記者や角栄さんの運転手などが立て続けに亡くなったり、自民党内の派閥争いも絡んでいろいろな謎が噴出しました。政商と言われた小佐野賢治・国際興業社長が証人喚問の際に発した「記憶にございません」が流行語になったりしました。今回のアッキード事件では、現在までのところ、「忖度(そんたく)」「神風が吹いた」「ハシゴをはずされた」といったところが流行語候補ですかね。
さて、ロッキード事件を題材にした映画があります。「不毛地帯」(1976 山本薩夫監督)です。img_1_m
社会派映画の巨匠、山本薩夫監督はこの当時、「華麗なる一族」(1974 山本薩夫監督)「金環蝕」(1975 山本薩夫監督)といった財閥や大企業と政府の癒着を告発する大作を手掛けていました。「華麗なる一族」と同じく山崎豊子さんの原作を得た「不毛地帯」は、昭和30年代半ば頃からのFX(次期使用戦闘機)選定をめぐっての商社間の仁義なき戦いが描かれます。スパイに見積もり書類を盗み見させたり、最終決定権を握る国防会議の決定を覆そうと巨額の実弾攻勢をかけるなど、利権をあさる政界の腐敗の構造が生々しかったです。そして「トカゲのしっぽ切り」のように死体になってしまう人も出ます。
映画の中では「ラッキード社」と「グラント社」の争いとなっていましたが、「ロッキード社」と「グラマン社」であることは誰の目にも明らかです。そして、この映画の撮影が進行している最中に、「ロッキード事件」が発覚、過去の事件をなぞるような疑獄事件が現実世界にも起こるという状況になりました。山本監督は、急遽脚本を書き直し、今そこにある事件を取り込むようにしました。モデルの一人とみられる議員から、現金授受のシーンにクレームがつくなどしましたが、かえって話題になったりしました。
社会派の山本監督ですが、市川雷蔵さん主演「忍びの者」(1962 山本薩夫監督)や勝新太郎さんの「にせ刑事」(1967 山本薩夫監督)なども撮っているし、娯楽映画としての腕も相当なものです。3時間という上映時間も飽きることなく見せるところはさすがです。今の日本映画にはこういう骨太の社会派大作映画が見られなくなりました。いろいろな企業がお金を出し合う製作委員会形式が多くなったせいもあり、なかなか難しいかもしれませんが、このアッキード事件の背後にどんな黒いものが蠢いて日本を動かそうとしているかを映画にしてくれる勇気ある人はいませんかね。       (ジャッピー!編集長)
にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!

「悪魔のようなあいつ」ジュリーVS若山富三郎さん 

松方弘樹さんの脱獄三部作の最終作「強盗放火殺人囚」(1975 山下耕作監督)は、前科がつもって懲役48年にふくれあがった極悪犯・若山富三郎さんとともに脱走する展開になりますが、images (28)
登場したときの若山さんの何と凶悪そうで恐そうなことといったら! 医務室でエタノールをがぶ飲みするし(実際の若山さんはお酒は飲まれない人で甘いもの専門だったそうです)、松方さんと大乱闘のアクションもスゴイです。面白いのは、この乱闘のため、二人は背中合わせに縛られ繋がれたまま独房行きとなるのですが、松方さんが小便するのに立ち上がり、イチモツを出すのに苦労します。ここで若山さんも仕方なく協力するうちに二人の気持ちが少し近づくのです。
この映画の公開された1975年は、若山さんがテレビの「悪魔のようなあいつ」に出た年でもあります。当ブログでも3月7日~9日に取り上げた「三億円事件」時効まで同時進行ドラマです。若山さんはジュリーを追い詰める白戸警部の役です。ちなみにこの「白戸」という役名は、「逃亡者」でリチャード・キンブルを追う「ジェラード」警部をもじって付けたそうです。この辺にも長谷川和彦さんが当初「逃亡者」のような展開を意識していたことがわかります。
白戸警部はかつて三億円事件を担当していたが、担当からはずされても独自に犯人を追っているという執念の刑事です。一見、人の良さそうな感じでニコニコしてますが、急に強面になったりと若山さんならではの演技が冴えます。images (29)
ジュリーを犯人とマークして執拗につけまわします。この白戸警部とジュリーの攻防が見どころです。
なかなか決定的な証拠がつかめない白戸警部は、ジュリーが出掛けている間に部屋を荒らして三億円を捜します。令状もないんですから捜査というより泥棒です。この時点では、三億円は妹の車椅子の中に隠されていて見つかりません。さらに、かつてジュリーが勤めていたバイク修理工場(荒木一郎さんが経営)に目をつけた白戸警部は、その家に入り込んで寝泊り、メシまで食べてまるで家族みたいになります。荒木さんの母親の浦辺粂子さんと仲良く将棋を指したり、若山さんがコミカルな味を出すあたり、久世プロデューサーお得意のお茶の間ドラマのテイストが濃厚です。
そして、借金で首のまわらない荒木さんに「お前と俺で三億円を奪って山分けしよう」と持ち掛け、荒木さんにジュリーの妹を誘拐させます。これなんか、もう犯罪教唆ですから、完全に捜査の範疇を超えています! このあまりに強引な捜査を続ける若山さん、最終回近く(いや、最終回だったか?)ジュリーの脳の病気が悪くなっていくと「絶対死ぬなよ。俺との勝負にカタがつくまではな!」などと言いますから、これはもはや「仕事」を超えて「生きがい」というか、一種の「犯人と同化」したアイデンティティーとなっています。のちに長谷川和彦さんが監督した「太陽を盗んだ男」(1979 長谷川和彦監督)のジュリーと菅原文太さんの関係にもつながるように思います。images (30)

その「太陽を盗んだ男」で好演し、ジュリーの演技者としての評価が高かったのですが、その年の各映画賞で主演男優賞をさらったのは、「衝動殺人・息子よ」(1979 木下恵介監督)ダウンロード (49)
の若山富三郎さんでした。キネマ旬報の主演男優賞部門の投票結果は、若山さん17票、ジュリーが16票。ここでも若山さんがジュリーの前に立ちふさがったのでした。     (ジャッピー!編集長)
にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!

不屈の男・松方弘樹さんの脱獄三部作

「脱獄広島殺人囚」(1974 中島貞夫監督)で松方さんが汲み取りトイレから逃げ出すシーンで、美術がギリギリの大きさで作った枠を通って体中がずる剥けになっていたそうです。それを見て中島監督はNHK「勝海舟」から戻って来た松方さんが本当に気合が入っているんだなと感じたと19日のトークショーでおっしゃっていました。そんな苦労も実ってヒット作となり、翌年には「暴動島根刑務所」(1975 中島貞夫監督)が作られます。この2本については当ブログで取り上げました。(1月30~31日を参照) なので、今日は「強盗放火殺人囚」(1975 山下耕作監督)を紹介します。松方さんの「脱獄三部作」の三作目となります。70224a05

この映画で松方さんのムショ仲間には石橋蓮司さん、殿山泰司さん、前田吟さん、川谷拓三さんなど素敵な役者が揃っています。権力側には所長役の小松方正さん、「ヒトラー」と異名をとる保安課長の菅貫太郎さん、沼田曜一さんなどこちらもなかなかのメンバーです。松方さんはもうすぐ仮釈放で、出所したら女房(ジャネット八田さん)と堅気の生活を送ろうと夢見ています。刑務所内に印刷班があり、大学入試問題の印刷をやっているのですがそれを持ち出して金持ちに売りつけるヤクザ集団(ボスは遠藤多津朗さんです)が何千万も儲けています。このグループにとっては松方さんが「仕事」に協力してくれないと困るので、仮釈放を潰してしまいます。
松方さんは拓ボンの協力で、木工班が作った特注・桜の木で作った洋服ダンスの中に隠れて脱獄を試みます。出るタイミングを逸して保安課長・菅さんの家まで運び込まれてしまうのが笑えます。しかも、菅さんの女房(春川ますみさん)にムラムラして犯してしまい、あえなく捕まります。ムショに戻った松方さんは菅さんに「フジマキにするか」と、芋虫のようにロープでぐるぐる巻きにされ水をかけて締めるというリンチを受けます。このときの菅さんのヒステリックな演技は、「十三人の刺客」(1963 工藤栄一監督)や「十一人の侍」(1967 工藤栄一監督)などでいつも残忍なバカ殿をやってきた菅さんの真骨頂です。
その後、懲役48年という凶悪犯(若山富三郎さん)と一緒に護送車から逃走、いったん四国に行ったあと大阪に舞い戻った松方さんは汲み取りトイレから侵入して、刑事にマークされてる女房に会います。(脱獄三部作はトイレ三部作でもあります!) このトイレでのジャネット八田さんとのファック・シーン、遠藤さんの娘(森田めぐみ、のちの五十嵐めぐみさん)を誘拐してまたムラムラして乳を吸ったり……と、当時、「キツーい一発」という流行語を放った松方さんのイメージをなぞるようなとお色気シーンもふんだんです。
またまた捕まり壮絶な拷問を受ける松方さんですが、今度は刑務所の屋根からロープをはっての脱獄と、最後まであきらめないのでした。ちなみにタイトルは、3回目の脱獄をした松方さんが若山さんと合流して遠藤さんの家に放火、金庫の金を強奪するからです。       (ジャッピー!編集長)
にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!
昭和お宝品評会

NEW!!お宝をご紹介いただけるメンバーを募集中です!
投稿へのコメントもお待ちしております!

きたさん
1975年「空飛ぶ鯨」でデビューしたちゃんちゃこのメンバー。デビュー40周年を経て昭和の素敵な時代の歌や出来事を再発見
ジャッピー!編集長
映画雑誌「ジャッピー!」を主宰する編集長
映画や昭和歌謡に底知れぬ造詣を示す昭和博士
ハピイ氏橋
昭和のあれやこれやをイラストにして解説。
独自の目線で昭和の面白さを掘り起こすイラストレーター
記事検索
ギャラリー
  • 追悼・ソンドラ・ロックさん イーストウッド映画のヒロイン
  • 追悼・ソンドラ・ロックさん イーストウッド映画のヒロイン
  • 追悼・ソンドラ・ロックさん イーストウッド映画のヒロイン
  • 追悼・ソンドラ・ロックさん イーストウッド映画のヒロイン
  • 追悼・ソンドラ・ロックさん イーストウッド映画のヒロイン
  • 追悼・輪島大士さん さらば黄金の左
動画配信
自分史記念日倶楽部

あなたの自分史はドラマに満ち溢れています。自分の記念日にそんな自分史ドラマを映像に残してみませんか?

>>詳しくはこちら

上を向いて歩こう
関根忠郎の映画惹句術
看護婦さんの生活と信条
懐かしの昭和の物語 壱
懐かしの昭和の物語 弐
懐かしの昭和の物語 参
  • ライブドアブログ