ハッピー昭和クラブ

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話 あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話
あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

2017年06月

映画と映画館への愛に満ちた一本

昨日の当ブログで紹介した「グッバイ・エレジー」(2016 三村順一監督)の話を続けます。かつての親友(吉田栄作さん)の死の知らせで帰郷する大杉漣さん扮する映画監督。久々に訪れる故郷で、亡くなった友を思い出し、回想シーンに入っていくところは、ちょっと「帰らざる日々」(1978 藤田敏八監督)を思い出させます。昨日書いたように、「小倉昭和館」の映写室に入れてもらって、好きな赤木圭一郎さんのフィルムを手にして喜ぶ「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988 ジュゼッペ・トルナトーレ監督)を彷彿させるシーン。さらに中学生か高校生になった彼ら二人が映画を観たあと、 不良にからまれてケンカになる場面では、「小倉昭和館」に「硝子のジョニー 野獣のように見えて」(1962 蔵原惟繕監督)のポスターが貼ってありました。この映画を撮った三村監督はかつて「キタキツネ物語」(1978 蔵原惟繕監督)の助監督をやられていたといいますから、師匠へのオマージュをこめているのでしょう。大杉さん(の若い頃)が東京に出ることになって駅で別れるとき、吉田さん(の若いとき)が「映画監督になれよ!」と言う所なんかは「祭りの準備」(1975 黒木和雄監督)が浮かびます。
また、亡くなった吉田栄作さんを偲ぶ集まりで大杉さんが「……だから、サヨナラは言わないよ。奥さん、子供、そしてみんなの胸の中に生き続けるから……」というスピーチをします。これは、親友の記憶であるとともに、「映画」が与えてくれた思い出、記憶について語っているように感じられます。
映画の中で「小倉昭和館」は地上げに合い、苦しい経営状態ですが、館主を受け継いだ幼馴染の藤吉久美子さんが「フィルムはウソをつかないからね」と、大杉さんにこれからもフィルムで撮るように励まします。「映画の力を信じておるけん」という台詞も印象的でした。d23820-7-862880-4

大杉さん演じる監督は、なかば映画を作ることを諦めかけていましたが(「近頃は若い人向けの企画か、マンガしか金を出してもらえないから」と現在の映画界への苦言をこめた台詞がありました)この藤吉さんの言葉や、久々に会った母親(佐々木すみ江さん)との会話などに押され、前を向いていきます。このシーンは実際に監督とお母さまの会話そのままだそうです。三村監督は、実際に「花と龍」の映画を企画しているようだし、これは監督の「私映画」と言っていいのでしょう。AS20170317003848_comm
単にノスタルジックな物語ではなく、まだまだ夢を追いかける人へのエールであり、「未来」を考える上で大切なことを教えてくれる映画でした。何といっても、映画と映画館へのこだわりと愛に満ちています!
(ジャッピー!編集長)




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「小倉昭和館」が舞台の「グッバイ・エレジー」

昨日の当ブログで、「新宿昭和館」が映し出される映画を紹介しましたが、北九州の小倉にも「昭和館」という映画館があります。こちらは現役の映画館で、2つのスクリーンで頑張っています。
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その「小倉昭和館」が映し出される、というか、まさに舞台になっている映画が今年、公開されました。「グッバイ・エレジー」(2016 三村順一監督)です。僕は、4月に有楽町スバル座で観ました。主人公の大杉漣さんが扮するのは、60歳を過ぎた映画監督。北九州が舞台の「花と龍」(原作の火野葦平さんが北九州出身)の映画を企画しているが、今の映画製作状況から実現が困難になっています。久々に故郷に帰ってきたのは、中学時代の親友・吉田栄作さんが刺されて亡くなったことを新聞で見たからです。
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映画は、この二人の子供時代の回想シーンを挟みながら進みます。二人はよく「小倉昭和館」に通っていて、特に赤木圭一郎さんの大ファンで「霧笛が俺を呼んでいる」(1960 山崎徳次郎監督)が劇中映し出されます。二人は映写室に入れてもらい、「これがトニーの映画のフィルムかあ」と感激します。この辺「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988 ジュゼッペ・トルナトーレ監督)のようなテイストです。吉田さんは漁師になってから、石野真子さんと結婚するのですが、トニーの4本立てオールナイトに誘いますし、(石野さんは疲れから眠ってしまいますが……)のちに生まれた子供には「圭一郎」と名付けるくらいです。
東京に出て映画の道を進んだ大杉さんに対し、吉田さんの方はちょっとヤンチャなタイプで、チンピラになって人を刺し、その後は地元で漁師になりました。かつての自分のような若者を出したくないと「夜回り先生」をしていて刺されてしまうのです。そんなことがあり、帰郷した大杉さんは、かつて自分たちが通った映画館が地上げにあい、苦しんでいるのを知ります。映写室に入れてくれた館主の娘で、やはり幼なじみの藤吉久美子さんが父の跡を継いで映画館を切り盛りしていますが……と、まさに「小倉昭和館」という実在の映画館が、映画の重要な舞台となっているのです。そして、昭和の映画や映画館への愛に満ちている映画でした。

「小倉昭和館」、僕はまだ行ったことがないのですが、いつか訪れたいと思っている映画館です。 
(ジャッピー!編集長) 
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新宿昭和館に「アポロンの地獄」

昨日の当ブログで、4月に亡くなった松本俊夫監督の初の劇映画「薔薇の葬列」(1969 松本俊夫監督)を取り上げました。実際に家出して上京、六本木でゲイ・ボーイとして人気を集めていたというピーターさんの経歴と重なるような役柄、ドラマの中にピーターさんのインタビューを挿入したりといった手法が現実と虚構をない交ぜにします。
そんな構成ですから、映画はロケ中心で、ゲリラ撮影にパトカーが出動する騒ぎになったこともあったそうです。そして、あの「新宿昭和館」の周辺がしっかりと映し出されているのです!016(3)
 ピーターさんがフラフラと街にさまよい出てたどり着くのが、新宿昭和館の前。映画の中では、昭和館という看板や名前や出てなくて、どこかの映画館という設定で、壁一面に「アポロンの地獄」(1967 ピエル・パオロ・パゾリーニ監督)のポスターがベタベタと貼られています。「アポロンの地獄」もギリシャ古典を題材にした名作なので、「エディプス王の悲劇」をモチーフにした「薔薇の葬列」が意識して(オマージュ?)貼ったのでしょう。あの任侠・ヤクザ映画のメッカにパゾリーニ映画のポスターというミスマッチが今、思うと面白いですね。いかにも、ハプニングな60年代掉尾の時空を感じさせる映像です。
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そういえば、以前、「ジャッピー!」で新宿昭和館で長年、映写を担当されていた小林さんという方にインタビューさせてもらったのですが、70年安保をひかえた60年代末のときは、街は騒然として大変だったそうで、投石とかあったので、入口がガラス戸だった昭和館は割られないように板を貼って防いでいたなんて話を伺いました。
「新宿泥棒日記」(1969 大島渚監督)なんかも、1968~1969年の新宿と言う町を丸ごとフィルムに収めたという感じでした。
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こちらは、紀伊国屋書店や花園神社(唐十郎と状況劇場!)のあたりの風景が映し出されています。「薔薇の葬列」とともに、アナーキーでアヴァンギャルドな新宿の貴重な映像記録であります。    (ジャッピー!編集長)
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追悼・松本俊夫さん

今年の4月12日に、映像作家の松本俊夫さんが亡くなりました。85歳です。今、映像作家と書きましたが、松本さんは元々、映画理論家として活動をスタート、ドキュメンタリーを撮り始めました。その手法は独特で、実験映画と呼ばれました。
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以前、当ブログ(2017年5月6日)でも紹介しましたが、大島渚監督と小山明子さんの結婚式は、その直前に「日本の夜と霧」(1960 大島渚監督)の上映打ち切りがあったせいで、披露宴で大島さんの友人たちがスピーチで次々と松竹や権力への弾劾演説を始め、まさに「日本の夜と霧」そのもののような大荒れになったのです。 そのとき、もっとも激しかったのが松本俊夫さんで、30分以上もマイクを離さなかったそうです。大島さんによると「当時、先鋭的な理論家で彼が髪を垂らして喋っている姿はまさにヒットラーと見紛うばかりだった」と、そのカリスマぶりを表しています。松本さんの演説の間に、松竹の首脳部はほとんど全員帰ってしまったそうです。
そんな松本さんが初めて撮った劇映画が「薔薇の葬列」(1969 松本俊夫監督)です。
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松本監督、1969年、ATGと並べただけで、もう時代の空気が伝わってきそうです。ギリシャ神話の「エディプス王の悲劇」を現代のゲイ・ボーイに置き換えた作品で、当時の実際のゲイ・バーなどが映し出され、そこで働く本物のゲイ・ボーイたちが出演。しかも、物語の途中で突然、彼ら(彼女ら?)のインタビューが挿入されたり、フィクションとドキュメンタリーが混ざり合ったような作品です。粟津潔さんや蜷川幸雄さんなど当時のカルチャーの先端にいた若い世代の姿も見れます。そして、何と!淀川長治さんも登場します!

主演のピーターさんは同年「夜と朝の間に」で歌手デビュー、年末のレコード大賞最優秀新人賞を獲得しますが、そのブレイク直前に出演(撮影は1968年夏)して怪しい魅力を発散しています。当時の風俗を前衛的な手法で描き、まさに「その時代」の映像とした作品は松本さんの面目躍如です。
松竹ヌーヴェルヴァーグなどに影響を与えた松本俊夫さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
(ジャッピー!編集長)
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クール・ビューティ 野際陽子さん

昨日は、野際陽子さんの和風テイストの魅力が感じられる映画、「日本侠客伝 血斗神田祭り」(1966 マキノ雅弘監督)を紹介しました。そういえば、その前には時代劇「風の武士」(1964 加藤泰監督)にも野際さんが出ていました。主役の大川橋蔵さんの姉の役で、寝坊する橋蔵さんを起こすシーンとかありましたが、出番はあまり多くありませんでした。でも、着物がよく似合っていて素敵でした。
さて、広く知られている洋風、スタイリッシュな野際さんが見られる映画というと、「監獄への招待」(1967 井上昭監督)があります。
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主演の田宮二郎さんは詐欺師の役で服役中です。ところが、麻薬取引で来日するヘンリー野坂という日系二世の男に顔がそっくりということで、FBIの依頼を受けた公安に「替え玉」にさせられる。事前にヘンリーの癖や家族を覚える特訓を受けて出獄します。公安は本物のヘンリー(もちろん田宮さんの二役です)を空港で拉致し、詐欺師の田宮さんが入れ替わり組織に潜入します。
この後は、いつ正体がバレるかというサスペンスが続きます。ボスの娘(真理アンヌさん)に気に入られ、一緒に海に行ったら、ド近眼の偽ヘンリーが入れていたコンタクトレンズを海に落としてしまい、そこら中でつまづいたり……(このシーンのアンヌさんのビキニ姿が豊満!)米軍基地にいるヘンリーの旧友が訪ねてきたり……ハラハラします。そして登場するのが、突然夫を追って来日したヘンリーの妻。これを演じるのが野際さんです。こっそりとつけて来て、偽ヘンリーとアンヌさんがキスしているのを目撃したときの冷たい視線、顔が白く浮かび上がる演出効果もあり、洋画のノワールものに出てきそうなクール・ビューティぶりです!さすがに妻だけあって、すぐに偽者と見破り、田宮さんに銃を突きつけるのもキマっていました。
映画は、本物のヘンリーが監禁されている病院から脱出、本物VS偽者、田宮さん対田宮さんというすごいことになり、大銃撃戦を繰り広げます。   (ジャッピー!編集長)
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きたさん
1975年「空飛ぶ鯨」でデビューしたちゃんちゃこのメンバー。デビュー40周年を経て昭和の素敵な時代の歌や出来事を再発見
ジャッピー!編集長
映画雑誌「ジャッピー!」を主宰する編集長
映画や昭和歌謡に底知れぬ造詣を示す昭和博士
ハピイ氏橋
昭和のあれやこれやをイラストにして解説。
独自の目線で昭和の面白さを掘り起こすイラストレーター
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