ハッピー昭和クラブ

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話 あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話
あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

2017年10月

フォークとロックを結び付けたモップスのアルバム

「女番長 野良猫ロック」(1970 長谷部安春監督)に登場し、ギターを弾きながら「カンドレ・マンドレ」を歌ったホリプロ所属の「アンドレ・カンドレ」さんは全く売れませんでした。当時、ラジオ局まわりなどをすると、よく「あなたは、アンドレさん? カンドレさんは来ないの?」と聞かれたそうです。
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「アンドレ」と「カンドレ」の2人組と思われていたわけです。それぐらい知られていなかったわけです。そのファースト・シングル「カンドレ・マンドレ」のバックをつとめたのは「六文銭」、アレンジは小室等さんでした。続いて小室さんのアレンジで2枚目のシングルも出しますが不発。3枚目は陽水さんのオリジナルではなく、作詞・松山猛さん、作曲・加藤和彦さんという「帰ってきたヨッパライ」のコンビの「花にさえ、鳥にさえ」という曲を出します。レコード会社(CBSソニー)も何とか売ろうと力を入れていたのだと思います。
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しかし、やはり売れなくてポリドールに移籍、ここで「井上陽水」として再出発します。1972年ファースト・アルバム「断絶」を発表しますから、「女番長 野良猫ロック」から2年経っていました。この「断絶」のバックにモップスの三幸太郎さん、スズキ幹治さん(ヒロミツさんの弟)が参加、そして星勝さんがアレンジを担当します。あらためて「断絶」を聴いてみると、アコースティックなフォークという曲もある一方、ストリングスが入っていたり、サイケの匂いがする演奏、ちょっと歌謡曲ぽいもの……とアレンジが凝っています。陽水さんのヴォーカルも、タイトル曲の「断絶」なんかちょっとパンクな感じがして、フォークからロックまでクロスしたヴァラエティーに富んだアルバムです。
星勝さんのアレンジを得た陽水さんのその後の活躍はご承知の通りです。ダウンロードdannzetu

「断絶」が出た1972年、モップスは「モップスと16人の仲間」というアルバムを発表します。これに陽水さんが「窓をあけろ」という曲を提供しています。
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アルバム・タイトルどおり、他に忌野清志郎さん(まだアコースティック主体のRCの頃です)、杉田二郎さん、小室等さん、泉谷しげるさんなどが曲を提供しています。そしてアルバムA面1曲目をかざったのが、吉田拓郎さんの「たどりついたらいつも雨降り」であります。つまり当時フォークに分類されるミュージシャンの曲を取り上げ、ロックに変換するという画期的なアルバムです。(陽水さん、小室さん、泉谷さん、拓郎さんと、この後「フォーライフ・レコード」を立ち上げた4人が勢ぞろいしています!)結果的に、フォークとかロックというジャンルを超えた新たなポップスの道標になったように思います。
ちなみに、モップスには久世光彦さんに詞を書いてもらった曲でヤマハのポプコンでグランプリを獲ったことがあるので、「悪魔のようなあいつ」の三億円強奪シーンにモップスの「たどりついたらいつも雨降り」が流れるのは、久世さんの意向があったのかもしれません。  (ジャッピー!編集長)
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「女番長 野良猫ロック」、モップスと井上陽水さん

「野良猫ロック 暴走集団’71」(1971 藤田監敏八監督)で、突然トラックに乗って「御意見無用(いいじゃないか)」を演奏、アナーキーな空気を盛り上げたモップスはシリーズ第1作「女番長 野良猫ロック」(1970 長谷部安春監督)にも登場します。梶芽衣子さんらのグループがたむろするゴーゴー喫茶で「パーティシペイション」を演奏、和製エリック・バードン(アニマルズ)と呼ばれた鈴木ヒロミツさんの熱いヴォーカルを披露します。さらに「ボーイ・アンド・ガール」を歌唱する和田アキ子さんのバックもつとめます。(当ブログ2月26日「モップスをバックにアッコさんが歌う!」にも書きましたのでご参照ください)

この「女番長 野良猫ロック」は、「ホリプロ」が日活と提携して製作した作品です。和田アキ子さんを売り出そうと主演にすえ、実際に三宮でブイブイ言わせていたというアッコさんの柄を活かして企画されたのです。なので、当時「ホリプロ」に所属した「モップス」も出演し、アッコさんとのコラボが実現したわけです。このとき20歳!のアッコさんのパンチのきいたヴォーカルもスゴイです。さらに「オックス」(赤松愛さん脱退後でキーボードは田浦幸さん=のちの夏夕介さん)、「オリーブ」といったGSが登場しますが、これらはゴーゴー喫茶の喧騒の中で演奏されます。ただひとり、静まり返った店の中で歌うのが「アンドレ・カンドレ」さん、のちの井上陽水さんです。映画の終盤あたり、新宿の街を包囲されてアッコや芽衣子さんたちがゴーゴー喫茶で身動きとれなくなっているとき、おもむろにフォーク・ギターを手にして唄い出すのが「カンドレ・マンドレ」という曲です。曲調はサイモン&ガーファンクルといった感じで、ちょっとメルヘン調の歌詞はのちの「夢の中へ」を思わせ、クリアな歌声とともにすでに「陽水」です!
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「アンドレ・カンドレ」の名前で「ホリプロ」に所属していた陽水さんは全く売れなかったわけですが、ここで「モップス」と出会ったことは大きかったのです。特に、「モップス」のギター担当・星勝さんは「井上陽水」と改名して出したファースト・アルバム「断絶」から編曲を手掛け、1974年にはついに「氷の世界」というミリオン・アルバムにつながっていきます。僕もこのアルバム、発表当時買いましたが、たしかにアレンジがスゴイ!と思いました。タイトル曲の「氷の世界」なんてスティーヴィー・ワンダーみたいでカッコよかった!
こうして押しも押されぬアーティストとなった陽水さんですが、もし「ホリプロ」で売れていたらまた違った運命になっていたかもしれません。「ホリプロ」所属のアイドルの曲を書いていたりして。
(ジャッピー!編集長)
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モップスが登場!「野良猫ロック暴走集団’71」

「悪魔のようなあいつ」の三億円強奪シーンは回想として登場します。雨中を沢田研二さんの犯人がバイクで現金輸送車に近づくシーンを撮っています。ほぼ全編スタジオ内のセット撮影のこのドラマで、ここだけは現地ロケで映画的なテイストがあり、興奮した記憶があります。このときバックに流れていたのがモップスの「たどりついたらいつも雨降り」でした
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「モップス」については、当ブログ10月18日にも書きましたが、「サイケデリック・ロック・バンド」として登場し、ヒッピー風なヴィジュアルもあって、GSブームの中では異色の存在でした。img_4
「モップス」の迫力ある演奏が見れる映画が「野良猫ロック 暴走集団’71」(1971 藤田敏八監督)です。67d25c7a614e4785bbc15c00e4d80370
「野良猫ロック」シリーズの第5作にして最終作でもあるこの映画は、新宿で始まります。淀橋浄水場の跡地が荒野のようになっていて、そこに廃バスを根城にヒッピーたちが暮らしています。このバスにはカラフルでサイケなイラストがほどこされていて、「ザ・フー」の「マジック・バス」を想起させます。
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いわゆるコミューンという感じの共同体ですが、仲間のひとり、地井武男さんがナチの親衛隊みたいなバイク集団に連れ去られます。実は地井さんは地方のボス的な政治家(稲葉義男さん)の息子で、跡継ぎとして実家に連れ戻されたのです。
原田芳雄さんや藤竜也さんらヒッピー・グループは地井さんを奪還しようと地方都市に乗り込みます。(乗り込む、といっても自転車でのんびり行くのがヒッピーらしくノンビリした雰囲気) 地井さんは実家で長髪を切られ、稲葉さんの執事(?)の戸浦六宏さんにしごかれてすっかりマトモな青年風に変貌しています。この「転向」した地井さんの役名が「隆明」で仲間からは「リュウメイ」と呼ばれています。明らかに「吉本隆明」さんを揶揄しているネーミングです。原田さんたちは稲葉さんの豪邸の前で、会おうとしない地井さんに「出てこい」と叫びます。止めようとする戸浦さんとヒッピーたちが揉めているときに、いつの間にかトラックに乗った「モップス」が現れ「御意見無用(いいじゃないか)」を演奏します。阿波踊りのリズムとロックを融合したような曲で、鈴木ヒロミツさんも和太鼓を叩きながらソウルフルなヴォーカルを聴かせます。♪ええじゃないか、ええじゃないか~というリフレインがヒッピーたちの抗議を煽る感じで、近隣住民(青木富夫さんなどがいます)の眉をひそめるような表情がインサートされます。

演奏を終えると、ヒロミツさんらが「頑張れよ」とか「レコード買ってくれよ~」とか言いながら去っていきます。藤さんが「何だありゃ」と言うと、原田さんがあの独特の言い回しで「分かりません」と答えるのも笑えます。登場人物にも分からないように(笑)、物語には全く関係なく突然登場する「モップス」ですが、体制に反抗する若者グループを描く作品のアナーキーな雰囲気を増幅させていました。   (ジャッピー!編集長)

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「三億円事件」の映画~金子信雄さんの執念の刑事が追いつめる

昨日当ブログで紹介した「三億円をつかまえろ」(1975 前田陽一監督)が公開された1975年は「三億円事件」の時効の年ということで、テレビでも「悪魔のようなあいつ」が放映されたり、ちょっとしたブームでした。そんな1975年にズバリ「実録三億円事件 時効成立」(1975 石井輝男監督)という作品も公開されました。これは喜劇ではなく(かなり笑える所はありますが。特に金子信雄さんの怪演)タイトル通り、実録タッチの犯罪ものです。単独犯説をとっていて(後になって情婦には明かしますが)追及するベテラン刑事との攻防が見どころです。
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何でも、原作の清水一行さんによると、荻窪のアパートに住んでいるやつで相当に怪しい人物がいて、清水さんはその人の行動を調査し「絶対に真犯人だ」という確信を持ったけれど証拠がなかったので言えなかったそうです。それを基に映画化されましたが、実際にこの原作とイメージの違う犯人が逮捕されたり、名乗り出たりすることも想定して、ギリギリまで別パターンに差し替えることを用意をしていたそうです。
この映画で「三億円事件」の犯人を演じるのは、岡田裕介さん。東映の辣腕プロデューサーから社長、名誉会長まで昇りつめた岡田茂さんのご子息です。裕介さんも東映社長を経て現在は会長であります。岡田裕介さんが演じるのは、犬のブリーダーをやっているものの借金に追われるダメ男で、同棲相手の小川真由美さんに頼っている有り様です。この二人の暮らしがかなりしょぼい感じで、年中いがみ合っているのが生活感たっぷりです
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。岡田さんは有閑マダム(絵沢萠子さん!)を誘惑して準備資金を借りて強奪を決行します。三億円強奪のシーンもドキュメント・タッチで再現されていて、「実録」タイトル負けしていません。
三億円をこの二人は墓の下に隠します。一昨日当ブログで紹介した「喜劇 三億円大作戦」(1971 石田勝心監督)が棺桶の布団の中に隠すのとちょっと似ています。岡田さんと小川さんは、時効まで金を使わないでおこうと約束しますが、絵沢さんに返済を迫られ、金に手をつけてしまいます。こうなると歯止めがきかず、時効まで40日というところで金を掘り出します。images (92)

映画後半は金子信雄さんのしつこい捜査でサスペンスが高まります。ラスト、別件で逮捕するも時効成立。金子さんが「オレもたった今、辞表を出したところだ。これからもくっついてやる。完全犯罪なんてありゃせんのだ!」と言います。金子さんは下品だが執念深い叩きあげの刑事を熱演し、山守親分を演じた「仁義なき戦い」シリーズ(1973~1974 深作欣二監督)と並ぶ代表作といっていいでしょう
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石井輝男監督によると、撮影中、小川さんと金子さんのソリが合わず困ったそうですが、ある意味こうした役者同士の対抗意識が良い作品を生んだとも言えます。  
ちなみに、犯人(岡田さん)は馬主株に手を出し、3億円はパーになります。(ジャッピー!編集長)
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「三億円事件」の映画~昭和の喜劇人たちのアンサンブル

「喜劇 三億円大作戦」(1971 石田勝心監督)と同じように、「三億円事件」を複数犯と設定している映画に「三億円をつかまえろ」(1975 前田陽一監督)があります。こちらもコメディです。143840979711343347180_sannokuenwotukamaero
やはり、喜劇となると、犯人は複数いた方が賑やかだしドタバタが起こりやすいですからね。ただ、これは実際の「三億円事件」を元にしているのでなく、金庫破りの話になっております。
「喜劇 三億円大作戦」では強奪計画の発案者だった三木のり平さんが、こちらの映画では「奪われる側」で農協の守衛の役です。監視カメラがあるのに見もしないで、雑誌のヌード・グラビアばかり見て仮眠室の布団にくるまり終いには押入れからダッチワイフを出してチューしたりもの凄い怪演を見せます。さて、強奪する方は4人組。冒頭、ムショ帰りの長門勇さん、日雇い人夫の列に並ぶも目の前で募集打ち切り、一杯呑み屋で昔の仲間・谷村昌彦さんに再会します。ここで谷村さんにムショの給料を持ち逃げされ、呑み屋の親父(由利徹さん!)に付け馬されますが立ちションのフリして誤魔化します。そんな時、競馬場で会った渡辺篤史さんが「農協の金庫に三億円の金がある」という情報を持ち込みます。
強奪を決めた長門さんはやはり昔の仲間である有島一郎さんを訪ねます。今は学習塾を開いている有島さんはカタギになったと言って最初は渋りますが仲間に加わります。しかし、有島さんは若い女房(伊佐山ひろ子さん!)に逃げられ幼い子供がいるので、子連れで金庫破りに参加せざるをえません。子供が泣き出さないかとかハラハラする中、4人は農協に忍び込みます。前述ののり平さんの他に財津一郎さんがガードマンとして見回りしていて、見つかりそうになってあわてて机の下に隠れる4人。財津さんは部長の椅子に座ってヒトラーの真似したりとさすがの個人芸を見せます。渡辺さんが我慢できずに花瓶にオシッコするのですが、財津さんがそこに活けてある花を口にくわえてフラメンコするところなんか爆笑でした。
案外と正統犯罪ものみたいなサスペンスある展開で、何とか金庫が開いて三億円を奪取に成功しますが……。実はラストのオチもオシッコがからむのですが、それは書かないでおきましょう。とにかく、有島さん、長門さん、谷村さん、由利さん、そして財津さんと、昭和のベテラン喜劇人たちの見事なアンサンブルが楽しめる一本でした。  (ジャッピー!編集長)

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1975年「空飛ぶ鯨」でデビューしたちゃんちゃこのメンバー。デビュー40周年を経て昭和の素敵な時代の歌や出来事を再発見
ジャッピー!編集長
映画雑誌「ジャッピー!」を主宰する編集長
映画や昭和歌謡に底知れぬ造詣を示す昭和博士
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昭和のあれやこれやをイラストにして解説。
独自の目線で昭和の面白さを掘り起こすイラストレーター
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