ハッピー昭和クラブ

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話 あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話
あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

2018年03月

イムジン河と京都と松山猛さん

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映画「パッチギ!」が公開されたころ(2005年)にちゃんちゃこの相棒の松村君から「僕らが中学生やった頃、そのままの映画がやってるで~」という連絡がありました。僕は幼いころから、京都の町には様々な差別が渦巻いていることをおばあちゃんから教えられていました。また、そういった差別があることも1968年、中学校に進学してからは認識させられる風景が様々ありました。民族差別があること、朝鮮学校があることも認識しました。そして、各学校には番長がいて、特に朝鮮学校は怖い学校で集団で喧嘩をするらしい・・・。京都市の南方、東福寺界隈でイムジン河の日本語作詞者、松山猛さんは生まれ育ったと言われてました。そんな京都九条界隈の少年時代の原風景として「イムジン河」は生まれたと言われてました。
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松山さんとは共通のお友達を介してお知り合いになりました。僕が携わっていたお仕事で一緒にプロジェクトに参加していただき、同じ京都フォークの先輩後輩の仲で、共通の話題が多く、一緒にロックユニット「your too(腰痛)」(笑)でライブをやったことも幾度かあります。
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松山さんは、フォークルのオリジナルメンバーで、プロデビューする前のフォークルでは、加藤和彦さんと一緒に曲創りをして、歌っておられた方です。原曲は知りませんが、フォークルの「イムジン河」は、加藤さんと松山さんの実質オリジナル曲だと僕は信じております。ですが1968年の段階では、一応原作者が北にいるとのことで、著作権の問題やら、歌詞の内容の問題やらいろいろややこしい問題のなかで、レコード会社サイドが製造プレスも終わっている発売2週間前に発売中止の自主規制をひいたとのことです。それから、30年余りの期間、オリジナルのフォークル「イムジン河」は復刻されることはありませんでした。復刻されたのは21世紀になってからです。ですが、1968年当時の京都の若者で、「イムジン河」を歌えない奴はいないというぐらいこの歌は、口コミ(歌コミ?)で広がってゆきました。発売、放送禁止になったことで、その話題は沸騰して、反体制を掲げていた学生運動にも影響を及ぼし、フォークギターを持った若者達はみんなこぞって「イムジン河」を歌っていたのです。結成したばかりの、中学生だったちゃんちゃこカンパニーもイムジン河を歌っていたと思います。
京都は小さな街の割に大学が膨大に多い街です。ですから、団塊の世代が学生だった頃の1960年代後半は、街全体が学生街のような街だったのです。そんな中でイムジン河はレコードは無いのに歌い継がれてゆきました。フォークルの「イムジン河」のメッセージは朝鮮半島の南北の平和をモチーフにした世界平和への願いの歌です。そんな言葉にならないメッセージが若者の心を動かしていったのだと思います。そして、30年後にオリジナル「イムジン河」の封印が解かれました。仕掛けたのは、僕の親友でした。元ソニー・ミュージックの故会田晃さんです。
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松山さんからのミッションを受けて、難しい著作権クリアの難題をJASRACと交渉を重ね、復刻出来ることになったのです。会田さんはいつも言ってました。「イムジン河」はアジアの「イマジン」だと。
僕を松山さんに繋げてくれたのは会田さんでした。
ちゃんちゃこ43 きたかたよしろう

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「シェイプ・オブ・ウォーター」と「ガス人間第1号」、そして「シン・ゴジラ」

先日発表された「第90回アカデミー賞」で、日本人の辻一弘さんが「メイクアップ・ヘアスタイリング賞」を受賞されました。
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チャーチル首相を演じて主演男優賞を獲得したゲイリー・オールドマンさんの特殊メイクを担当して、まさにソックリに作り上げました。こういった細かい手先の作業、もの作りは日本人の得意とするところですね。受賞おめでとうございます。
作品賞を受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017 ギレルモ・デル・トロ監督)のデル・トロ監督もかつて特殊メイクの助手から映画界のキャリアをスタートさせています。そして、日本の特撮映画への造詣も深い人です。
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(25日の当ブログで「ウルトラQ」の「海底原人ラゴン」を観ているとにらんだのはそのためです) 世界に誇る日本の特撮映画には、この「シェイプ・オブ・ウォーター」と同じような異形の生物と人間の愛の物語だってあります。「ガス人間第1号」(1960 本多猪四郎監督)なんてまさに大人の鑑賞にたえうる物語だったと思います。土屋嘉男さん演じる「ガス人間」にされてしまった男は神出鬼没、強盗を続けます。それは、彼が惚れている女性(八千草薫さん)のための犯行です。日本舞踊の師匠である彼女が発表会を開くための資金を提供するために銀行強盗をするのです。ガス人間という異形の者が持つ哀しみ、そんな自分が思慕をあらわす切実さ、そしてその行く末は破滅しかない……「ガス人間」という設定がまるで「うたかたの恋」を暗喩しているかのような悲劇です。かつてはこういう映画もあったのですし、日本お得意の「特撮」技術をもって「シェイプ・オブ・ウォーター」のような弱者(マイノリティ)に寄り添う主題の作品が作れるのになあと思います。2eb161c1

なのに、日本で実際に作られるのは「シン・ゴジラ」(2016 庵野秀明監督)のような国策映画です。「次の首相はお前だな」なんてセリフを吐くエリート人間ばかりが登場し、自衛隊の兵器見本市みたいな展開、あげくは「日本は負けない」みたいに全体主義、軍事国家肯定で安部首相の憲法改正に忖度したような強者の映画。(当ブログ2016年9月29日「危険な匂いのする映画」、10月3日「2016年の国策映画?」、10月9日「晋・ゴジラとスタンディング」をご参照ください)これが第39回日本アカデミー賞作品賞を獲るというのですから、日米のアカデミー賞の映画人の意識の違いが浮き彫りになりますね。  (ジャッピー!編集長)
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「シェイプ・オブ・ウォーター」のアカデミー賞受賞

僕が「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017 ギレルモ・デル・トロ監督)を地元のシネコンで観たのは3月4日(日)で、アカデミー賞発表前でした。一昨日の当ブログで書いたように、僕は非常に感銘を受けたのですが、アカデミー賞作品賞を獲るとは予想しませんでした。というのは、こういった、言ってみれば「怪獣映画」のジャンルに入るような作品は、昔からアカデミー賞レースでは弱いという傾向があるからです。ですから、見事に第90回アカデミー賞作品賞を始め4冠に輝いたのは嬉しいサプライズでした。
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アカデミー賞というのは、その時代の社会や状況を大きく反映する傾向があります。昨年、「ラ・ラ・ランド」(2016 デイミアン・チャゼル監督)が作品賞受賞を本命視されていたのに「ムーンライト」(2016 バリー・ジェイキンス監督)が獲得した(授賞式でボニー&クライドによる前代未聞のミスもありました)のも、主演・助演・男女優賞のノミネートにひとりも黒人俳優が選ばれなかったことで「アカデミー賞は黒人を排除している」という声があがったことが影響しているのではないかと言われました。(黒人監督のスパイク・リーさんはボイコットしました) で、今年の場合、「分断」が進行するアメリカ社会を生んだトランプ政権へのカウンター・パンチとしての価値が有効票になったように思います。おの「シェイプ・オブ・ウォーター」の舞台は1962年、米ソの冷戦真っ只中、強いアメリカ・ファーストという風潮、また米国内では公民権運動が始まったころで、そのため保守白人層が反発の動きを強めていた時代です。オバマ大統領の時代を経て逆コースに進んだのでしょうか、何だか今に似ています。この映画の声が出せないヒロインに協力する仲間達、黒人の同僚や隣人の同性愛者など社会的マイノリティへのまなざしにトランプ政権へのアンチのメッセージがこめられています。さらに言えば、半魚人を追い詰める軍人が象徴するマチズモに対するアンチも、セクハラ問題が持ち上がっているハリウッドで追い風になったかもしれません。
一昨日の当ブログで書いたように、音楽やミュージカルなどの「文化」「芸術」が、そういった分断と差別の世界に対抗できることを謳いあげている点が映画人たちの矜持と合致してのアカデミー賞受賞だったのだと思います。
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  (ジャッピー!編集長)


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「パッチギ!」と「シェイプ・オブ・ウォーター」

昨日の当ブログで取り上げた「パッチギ!」(2004 井筒和幸監督)は、音楽担当をつとめたのが加藤和彦さんとあって、エンディングには「あの素晴らしい愛をもう一度」が流れます。劇中にはオダギリジョーさんが唄う「悲しくてやりきれない」も流れます。
また、映画のテーマと重なる「イムジン河」は加藤さんが朝鮮の民族楽器「パンソリ」を使って民族音楽調にアレンジしています。この「イムジン河」の旋律が流れるのは高岡蒼佑さん演じる朝鮮高校の番長の弟分・チェドキ(尾上寛之さん)の葬儀のシーンですが、このときチェドキの父親は康介(塩谷瞬さん)に「お前ら、日本人に何がわかる! 知らなければ一生知らんままだぞ!」と言って追い返します。(笹野高志さんの名演技です!) 康介は言い返せませんが、それでも「イムジン河」という歌を通して「知ろう」とします。「イムジン河」が「統一を願う歌」でありように、在日と日本人の間に横たわる河を渡ろうとします。韓国語を勉強し、「イムジン河」を韓国語で熱唱するシーンは感動的です。

実は最近、ある映画を観たときに「パッチギ!」のことをふと思い出したのです。その映画とはアカデミー賞の作品賞を獲得した「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017 ギレルモ・デル・トロ監督)です。
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CGにはあまり頼らない見事な特撮にも感心しましたが、そこに描かれた「音楽の力」への信頼が全然違うジャンルに思える「パッチギ!」を思い起こさせたのです。サリー・ホーキンスさん演じるヒロインは声が出ない設定、彼女が清掃員として勤める研究所に捕獲されている半魚人?とは当然コミュニカ―ションはとれませんが、この二人を近づけるのがレコード・プレイヤーから流れる「音楽」です。
人種、民族や文化が違っても、言葉が通じなくても、美しい音楽は同じように感動を呼び、結びつけることができるという思いが伝わってきます。あの特異なアメリカ大統領によって「分断や差別」が渦巻く状況へのアンチテーゼといえるでしょう。「音楽」が異文化を越えて人を結び付け、世界を動かす力だって秘めているのだということが「パッチギ!」に共通しているように思えました。
あと、この「シェイプ・オブ・ウォーター」の半魚人が音楽に聴き入るというのは、「ウルトラQ」の「海底原人ラゴン」を想起させます。
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特撮オタクのデル・トロ監督のことだから、絶対に「ラゴン」を観ていると僕はにらんでいます。  (ジャッピー!編集長)
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1968年の京都が舞台の「パッチギ!」

一昨日の当ブログで、きたかたさんが1968年京都で中学のクラスメイトとバンドを始めた話を書いておられました。同じく、1968年の京都を舞台にした青春映画がありました。きたかたさんたちが憧れたフォーク・クルセダーズの大ヒット曲「帰って来たヨッパライ」の作詞者、松山猛さんの自伝的小説「少年Mのイムジン河」(木楽舎から刊行)
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をモチーフにした「パッチギ!」(2005 井筒和幸監督)です。
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主人公の康介(塩谷瞬さん)は高校生。喧嘩のたえない朝鮮高校におそるおそるサッカーの試合の申し込みに行き、そこで見かけた女の子・キョンジャ(沢尻エリカさん。可愛かった!)に魅せられます。ところが、キョンジャは朝鮮高校の番長(高岡蒼佑さん)の妹であり、なかなか近づけません。彼女が音楽室でフルート演奏していたのが「イムジン河」で、康介はキョンジャと親しくなりたい一心でギターの練習を始めます。康介にギターを教えてくれる若者(オダギリ ジョーさん)の役名が「坂崎」で、これは中1で「帰って来たヨッパライ」に出会ってフォークルの大ファンになった坂崎幸之助さんからつけています。
ギターが弾けるようになった康介は、公園で開かれている朝鮮の家族たちの宴会でキョンジャと一緒に演奏するなど仲良くなりますが、「もしも結婚することになったら、あなたは朝鮮人になれる?」と問われ何も答えられません。民族、偏見、差別、国家……高校生ではたちうちできない大きな壁にぶち当たり、康介は考え、悩み、無知を恥じます。でも、彼はあきらめず、自分の信じた近くて遠い国の歌を一所懸命に覚え、理解し、伝えようとします。この歌の力を信じて世界に立ち向かう姿が感動的です。今また世界中で分断と差別が横行していますが、ほんの少しの想像力で乗り越えられるはずだと教えてくれる映画です。韓国と北朝鮮の間に流れる「イムジン河」の歌詞は、在日と日本人の間に横たわる河も暗喩し、対岸でフルートを吹くキョンジャに向かって康介がずぶ濡れになって川を渡るシーンも印象的です。

加瀬亮さんがオックスの野口ヒデトさんに扮していたり、康介の友人(小出恵介さん。マッシュルーム・カット!)がナンパしようと、♪おまえのすべてを~とカーナビーツの歌を唄うシーンがあったりとグループ・サウンズの時代でもあった1968年の雰囲気がしっかり表されております。a0138219_23332150

(ジャッピー!編集長)

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きたさん
1975年「空飛ぶ鯨」でデビューしたちゃんちゃこのメンバー。デビュー40周年を経て昭和の素敵な時代の歌や出来事を再発見
ジャッピー!編集長
映画雑誌「ジャッピー!」を主宰する編集長
映画や昭和歌謡に底知れぬ造詣を示す昭和博士
ハピイ氏橋
昭和のあれやこれやをイラストにして解説。
独自の目線で昭和の面白さを掘り起こすイラストレーター
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