「死刑台のエレベーター」(1957 ルイ・マル監督)といえば、マイルス・デイヴィスさんが即興セッションで演奏した音楽を劇伴にしたことでも知られています。このクールな音楽がモノクロの映像に合って緊迫感を深めています。
日本映画でも、同じように即興演奏で音楽をつけた映画があります。「白昼の襲撃」(1970 西村潔監督)です。
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「明るく楽しい東宝映画」がキャッチフレーズだった東宝ですが、60年代末から70年安保にかけての学生運動や政治的状況という季節の中で、新しい路線の映画が登場します。加山雄三さんが「若大将」のイメージを脱しスナイパー役を演じた「狙撃」(1968 堀川弘通監督)を皮切りにハードなアクション映画が連続して公開されます。その「東宝ニューアクション」の狂い咲きを牽引したのが西村潔監督です。同じ一橋大学出身の石原慎太郎さんと共に東宝の入社試験に合格(この辺の話は当ブログ11月22~23日に書きました)した西村さんは密室サスペンスの傑作「死ぬにはまだ早い」(1969 西村潔監督)でデビュー、この「白昼の襲撃」が第2作となります。
黒沢年男さん演じる少年院帰りの青年がふとしたことから大学生を殺してしまい、謎の男(岸田森さん)に匿われます。岸田さんはヤクザの組に潜伏しているテロリストで、黒沢さんはその弟分みたいになりますが、組のボスから命じられ岸田さんを殺すはめになります。組織も信じられなくなった黒沢さんは金を奪ってヨットで海外に逃亡しようとする、というストーリーです。o0330014810622663868
黒沢さんの仲間にゲイの少年やベトナム脱走兵がいたり、時代の空気をたっぷり吸いこみ、黒沢さんの脱出願望には当時の閉塞感がみてとれます。恋人(高橋紀子さん)の密告で警官隊に追いつめられるラストは「勝手にしやがれ」(1959 ジャン=リュック・ゴダール監督)もちょっと思い出します。
そしてジャズ・マニアの西村監督が音楽に起用したのが日野皓正さんで、ラッシュ・フィルムを見て即興でトランペットを演奏したという劇伴音楽が鮮烈でした!  今年、ドラムの少年を平手打ちで話題になりましたが……この音楽を聴くだけでも一見の価値ありの映画です。  (ジャッピー!編集長)
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