僕が「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017 ギレルモ・デル・トロ監督)を地元のシネコンで観たのは3月4日(日)で、アカデミー賞発表前でした。一昨日の当ブログで書いたように、僕は非常に感銘を受けたのですが、アカデミー賞作品賞を獲るとは予想しませんでした。というのは、こういった、言ってみれば「怪獣映画」のジャンルに入るような作品は、昔からアカデミー賞レースでは弱いという傾向があるからです。ですから、見事に第90回アカデミー賞作品賞を始め4冠に輝いたのは嬉しいサプライズでした。
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アカデミー賞というのは、その時代の社会や状況を大きく反映する傾向があります。昨年、「ラ・ラ・ランド」(2016 デイミアン・チャゼル監督)が作品賞受賞を本命視されていたのに「ムーンライト」(2016 バリー・ジェイキンス監督)が獲得した(授賞式でボニー&クライドによる前代未聞のミスもありました)のも、主演・助演・男女優賞のノミネートにひとりも黒人俳優が選ばれなかったことで「アカデミー賞は黒人を排除している」という声があがったことが影響しているのではないかと言われました。(黒人監督のスパイク・リーさんはボイコットしました) で、今年の場合、「分断」が進行するアメリカ社会を生んだトランプ政権へのカウンター・パンチとしての価値が有効票になったように思います。おの「シェイプ・オブ・ウォーター」の舞台は1962年、米ソの冷戦真っ只中、強いアメリカ・ファーストという風潮、また米国内では公民権運動が始まったころで、そのため保守白人層が反発の動きを強めていた時代です。オバマ大統領の時代を経て逆コースに進んだのでしょうか、何だか今に似ています。この映画の声が出せないヒロインに協力する仲間達、黒人の同僚や隣人の同性愛者など社会的マイノリティへのまなざしにトランプ政権へのアンチのメッセージがこめられています。さらに言えば、半魚人を追い詰める軍人が象徴するマチズモに対するアンチも、セクハラ問題が持ち上がっているハリウッドで追い風になったかもしれません。
一昨日の当ブログで書いたように、音楽やミュージカルなどの「文化」「芸術」が、そういった分断と差別の世界に対抗できることを謳いあげている点が映画人たちの矜持と合致してのアカデミー賞受賞だったのだと思います。
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  (ジャッピー!編集長)


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