先日発表された「第90回アカデミー賞」で、日本人の辻一弘さんが「メイクアップ・ヘアスタイリング賞」を受賞されました。
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チャーチル首相を演じて主演男優賞を獲得したゲイリー・オールドマンさんの特殊メイクを担当して、まさにソックリに作り上げました。こういった細かい手先の作業、もの作りは日本人の得意とするところですね。受賞おめでとうございます。
作品賞を受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017 ギレルモ・デル・トロ監督)のデル・トロ監督もかつて特殊メイクの助手から映画界のキャリアをスタートさせています。そして、日本の特撮映画への造詣も深い人です。
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(25日の当ブログで「ウルトラQ」の「海底原人ラゴン」を観ているとにらんだのはそのためです) 世界に誇る日本の特撮映画には、この「シェイプ・オブ・ウォーター」と同じような異形の生物と人間の愛の物語だってあります。「ガス人間第1号」(1960 本多猪四郎監督)なんてまさに大人の鑑賞にたえうる物語だったと思います。土屋嘉男さん演じる「ガス人間」にされてしまった男は神出鬼没、強盗を続けます。それは、彼が惚れている女性(八千草薫さん)のための犯行です。日本舞踊の師匠である彼女が発表会を開くための資金を提供するために銀行強盗をするのです。ガス人間という異形の者が持つ哀しみ、そんな自分が思慕をあらわす切実さ、そしてその行く末は破滅しかない……「ガス人間」という設定がまるで「うたかたの恋」を暗喩しているかのような悲劇です。かつてはこういう映画もあったのですし、日本お得意の「特撮」技術をもって「シェイプ・オブ・ウォーター」のような弱者(マイノリティ)に寄り添う主題の作品が作れるのになあと思います。2eb161c1

なのに、日本で実際に作られるのは「シン・ゴジラ」(2016 庵野秀明監督)のような国策映画です。「次の首相はお前だな」なんてセリフを吐くエリート人間ばかりが登場し、自衛隊の兵器見本市みたいな展開、あげくは「日本は負けない」みたいに全体主義、軍事国家肯定で安部首相の憲法改正に忖度したような強者の映画。(当ブログ2016年9月29日「危険な匂いのする映画」、10月3日「2016年の国策映画?」、10月9日「晋・ゴジラとスタンディング」をご参照ください)これが第39回日本アカデミー賞作品賞を獲るというのですから、日米のアカデミー賞の映画人の意識の違いが浮き彫りになりますね。  (ジャッピー!編集長)
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