昨日の当ブログでふれた、石橋正次さんが矢吹丈を演じた映画「あしたのジョー」(1970 長谷部安春監督)は1970年7月22日公開。その前、ゴールデンウイークの5月に「ハレンチ学園」(1970 丹野雄二監督)がヒットしたので味をしめて、同じくマンガの映画化の企画となったのかもしれません。「あしたのジョー」は日活と新国劇の提携作品だったので、辰己柳太郎さんが「丹下段平」に扮し、いい味を出してました。
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近年の「あしたのジョー」(2011 曽利文彦監督)では香川照之さんがマンガの「丹下段平」そのもののメイクで演じておりましたが、こうなると逆に笑ってしまって……マンガの実写化とはいえ、平面に描かれた画と生身の人間は違いますからねえ。
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それはさておき、1970年の「あしたのジョー」は「反逆のメロディー」(1970 澤田幸弘監督)を併映作に公開されました。「反逆のメロディー」は、いわゆる「日活ニューアクション」を代表する1本として知られております。地方都市を牛耳ろうとするヤクザ組織にアウトローが戦いを挑むストーリーで、主人公の原田芳雄さんが上下ジーンズというスタイルでジープに乗り、原田さんに同調する佐藤蛾次郎さん以下の仲間たちはバイクを乗り回すというのが、従来の任侠、ヤクザ映画と違って暴走族ものみたいな若い感覚があふれているのが新機軸でした。
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長髪、ジーンズというスタイルで登場する原田芳雄さんは「アウトロー」というイメージを強く確立しましたが、この映画を観ると、意外に原田さんの役は「策士」的な面が強いと分かります。(映画の冒頭は組織の偽装解散のシーンで原田さんもダークスーツを着ています)登場人物では、自分の組を潰され復讐に燃える一匹狼の藤竜也さん、敵方の組織の一員ながら反抗的な暴れ者・地井武男さん(原田さんと意気投合し、お互いの腕時計を交換して「これで俺たちはダチ公だぜ!」と言うシーンがシビレます)の方がずっとアウトロー度が高いです。そして最もアナーキーなのが佐藤蛾次郎さん演じる「ゲバ作」です。室蘭出身という以外は本名、来歴いっさい不明で、「とにかく破壊だ! ぶっこわせ! 威張りくさって弱い者をいじめるブタどもをぶち殺せ!」と暴れまわり映画の中途であっさり殺されます。この「ゲバ作」が印象的な台詞を言います。駆け引きにまみれる組織同士の「政治」に対して、「白は白、黒は黒、許せないものは許せないんだ!」と言うのです。
存在する文書を「ない」とウソついたり、あげくは公文書を「改ざん」したり、「口裏合わせ」を持ち掛けたり、「あの人」のために必死になって「白を黒」としようとしている官僚、これじゃあ悪い「ヤクザ」の下っ端そのものです。優秀な成績で東大とか出て、チンピラとなっていることを恥ずかしく思わないんですかねえ。「ありえないことをさせられた」と言い残して自ら命を絶った仲間もいるのに…… (ジャッピー!編集長)
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