昨日、一昨日と当ブログで紹介した1967年2月公開「千曲川絶唱」(1967豊田四郎監督)、9月公開「颱風とざくろ」(1967 須川栄三監督)に続いて、この年の星由里子さんはもう1本、良い作品に出演されています。
12月に公開された「父子草」(1967 丸山誠治監督)です。当ブログでは2016年8月5日に「寅さん去って20年」というタイトルで書いておりますが、主演は渥美清さん。佐渡出身で各地の飯場を渡り歩いている土方の役の渥美さんは初期の寅さんのような粗暴な男です。淡路恵子さんが出している屋台のおでん屋の常連で、このお二人の掛け合いが絶品。渥美さんが「ババア!」を連発すれば、淡路さんも「何だい、佐渡のオケラ野郎」「カバみたいな目しやがって」「佐渡のゲタ!」と言いたい放題です。ダウンロードawaji
ある日、酒の入っている渥美さんはこの屋台で出会った浪人生の石立鉄男さんにからみ、ケンカになります。「親のすねかじりのくせに」「生っちろい手しやがって」と言ってからむ、そんな出会いでしたが、石立さんが夜勤のバイトしながら大学目指して頑張っているのを知ると、「3月にお前が大学に受かったらお前の勝ち、落ちたらオレの勝ちだ」と、不器用な言い方で応援するようになります。冬になり、他の飯場で稼いだ金を淡路さんに預けて「あの若いのにうまいもの食わせてやってくれ」と頼んだりします。実は渥美さんには悲しい過去があり、石立さんを息子のように思えて無償の応援をするのですが、屋台のおかみも赤の他人の渥美さんや石立さんを気にかけ、その人情のあたたかさにグッときます。この映画の淡路さん、本当に素晴らしい好演です! そして、もう一人、石立さんを応援しているのが星由里子さんです。
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和菓子屋さん(だったかな?)の娘で時々石立さんにお団子を差し入れたりします。夜、小学校の警備員のバイトをしている石立さんのところにやって来るシーンがありました。夜の学校のプールサイド、「初夏って大好き」と言って水に足を浸した星さん、真面目な石立さんがバイト中であることを気にして「ここは学校だよ。しかも夜で男と女がイチャイチャしているように見えるよ」と言うと、「じゃイチャイチャしちゃおう」と、こまっしゃくれたことを言うのが超かわいかった! この夜のプールサイド、忘れられない美しいシーンです!  他人を気にかけ、片隅で一所懸命に頑張っている人を自然に応援できる、そんな人と人のつながり、人情が良き昭和を思い出させます。脚本は木下恵介さんで、観る者を幸福感でいっぱいにする本当の名作です。見事に演じられた渥美清さん、淡路恵子さん、石立鉄男さん、そして星由里子さんと皆、亡くなってしまいました。   (ジャッピー!編集長)
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