当ブログで、一昨日に書いた「颱風とざくろ」(1967 須川栄三監督)は「でっかい太陽」(1967 松森健監督)、さらに昨日紹介した「父子草」(1967 丸山誠治監督)は「燃えろ!太陽」(1967 松森健監督)と、それぞれ夏木陽介さんが「由木真介」という熱血教師で主演した作品と二本立てでした。その夏木陽介さんも今年の1月14日に81歳で亡くなりました。お歳をとられても、ダンディーで若々しかったので訃報を聞いたときは驚きました。img_6_m

夏木さんといえば、上にあげたような学園ドラマの若い教師というイメージがやはり強いです。その元になったのは、1965年秋から日本テレビで放映が開始された「青春とはなんだ」です。img_0

石原慎太郎原作で、アメリカ帰りの若い教師が田舎町の高校に赴任してきて、古い因習や保守的な周囲とぶつかりながら、生徒たちにラグビーを教え交流していくというものです。まあ現代版「坊ちゃん」という感じですが、元々、原作は主人公の「野々村健介」という英語教師は弟の裕次郎さんをイメージして書かれたそうで、石原裕次郎さん主演で日活が映画化したのも当然です。「青春とはなんだ」(1964 舛田利雄監督)は7月に公開されました。夏木さんのTVドラマの方は後発となったのですが、夏木さんはプロデューサーから「原作は読むな。裕ちゃんの映画も観るな」と言われたそうで、真っ白な状態で自分の「野々村健介」として役に入れたのが良かったのでしょう。夏木陽介さんの熱血教師ぶりが見事にハマって大人気ドラマとなりました。原作のネタが尽きて、途中からはオリジナルのストーリーを作らなければならなくなったほどで、約1年放映されました。驚くべきは、TVドラマの最終回の撮影が終わって中一日に映画版の撮影が始まったということです。ドラマのダイジェスト的なものをもう一度あらためて撮影、11月13日に最終回放映、その1か月後、12月17日には映画版を「これが青春だ!」(1966 松森健監督)というタイトルで公開したのですから、すごいスピードです。人気のあったTVの余韻が冷めないうちという意図だったのだと思います。先行した裕次郎版があったのでタイトルを変えたのですが、これは次のTVドラマのタイトル(ただし「これが青春だ」とビックリ・マークなし)となっていて、やはり夏木さん主演で作られる予定だったのですが夏木さんに「なつかしき笛や太鼓」(1967 木下恵介監督)のオファーが入り、スケジュールがとれず断念、代わって竜雷太さんが主演、以後、東宝テレビの学園青春ドラマは新人の登竜門のようになり、続いていきます。冒頭に書いた「でっかい太陽」「燃えろ!太陽」はスポーツがラグビーからサッカーに変わりますが、ドラマと雰囲気は同じなので、結果的に夏木さんの熱血教師はTVから映画に移った形になったのです。覚えているのは、この2本には酒井和歌子さんが高校生役で出ておられていて、のちに「飛び出せ!青春」では村野武範さんの同僚の先生役になっていてちょっと感慨深かったです。
以後の学園青春ドラマのルーツとして、爽やかに先生役を演じられ、他にも色々な作品で楽しませてくれた夏木陽介さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。 (ジャッピー!編集長)
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