女優の菅井きんさんが8月10日に亡くなっていたことが発表されました。92歳でした。老衰も入っていたということです。
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菅井きんさんは脇役で活躍された方ですが、「菅井きん」という芸名は一度聞いたら忘れられないインパクトがあります。戦後に女優になった菅井さんですから「きん」というのはその時点でもかなり古めかしい名前だったと思います。そもそもご本名が「キミ子」ですから、芸名の方が「きん」と時代劇に出るような古めかしい名前というのは異例です。脚本家の方が名付け親だそうです(本名の「須斎キミ子」をもじって「菅井きん」)が、のちの菅井さんが老け役が多く、庶民のおばちゃんを演じて味わいのあった脇役人生を予見しているような絶妙なネーミングになっていますね。
「女優は美人がなるものだ」と言う父親の反対を押し切って俳優座に入った菅井さんは数々の映画にも出ていますが、「ゴジラ」(1954 本多猪四郎監督)では婦人代議士役、t02200167_0420031913218698698
翌年の「愛のお荷物」(1955 川島雄三監督)でも同じような婦人代議士を演じていますから、初期の頃はちょっとうるさ型の女性というイメージが合うと見られていたのかもしれません。f242aa7d42016675adf577252e6eb711


その一方では、貧しい市井に暮らす庶民の役も多くこなし、本当にそこらにいるようなおばちゃんの生活感を滲ませていました。異色なのは「天国と地獄」(1963 黒澤明監督)の麻薬中毒の女、o1080081014253153387
「みな殺しの霊歌」(1968 加藤泰監督)の有閑マダム役でしょうか。応蘭芳さん、沢淑子さん、中原早苗さん、河村有紀さんらと5人で無垢な少年を強姦!する熟女を演じ、その復讐で佐藤允さんに殺される役でした。応蘭芳さんについては当ブログ7月6日「マモルのママとガムのママは同期生」に書きました。ご参照ください。
そして、菅井さんの訃報を伝える新聞などでも代表作としてあげられている「必殺」シリーズの「中村せん」役。1973年放映のに始まる白木万里さん演じる「中村りつ」と組んだ「せんりつ(=戦慄)」コンビで「中村主水」(藤田まことさん)をいびる姑役は絶品、「ムコ殿!」というキメ台詞も有名になりました。
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シリーズが続きあまりにそのイメージが定着し、「本当に鬼姑と思われて一人娘の結婚に支障がでる」と心配になった菅井さんは降板を申し出たことがあったという有名なエピソードがあります。それほど、「中村せん」は菅井さん以外には考えられない当たり役になったのですが、1973年に初めて演じたときは菅井さんまだ47歳! まったく見事に演じておられました。
数々の映画、ドラマで欠かせない脇役として活躍された菅井きんさんのご冥福を心よりお祈りいたしま  す。  (ジャッピー!編集長)
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