昨日の当ブログで、菅井きんさんが印象的な演技を見せる「七つの弾丸」(1959 村山新治監督)を取り上げました。救いのないラストシーンだけに、普通に生きていた人の生活やささやかな幸福を奪う犯罪への怒りが伝わってきます。この傑作の脚本を書いたのが、今年7月19日に亡くなった橋本忍さんです。
ダウンロードshinobu
100歳ですから大往生といっていいと思いますが、直前まで小説の執筆をされていたといいますから驚かされます。まさに「巨星」と呼ぶにふさわしい偉大な脚本家でした。
僕が初めて橋本忍さん脚本の映画を観たのは「切腹」(1962 小林正樹監督)、「上意討ち 拝領妻始末」(1967 小林正樹監督)の2本立てで、当時の「文芸地下」でした。それまで黒澤明作品は何本か観ていましたから、脚本チームの一員としての橋本忍さんの作品は観ていたわけですが、橋本さんが単独で書かれたものはそのときが初めてだったのです。当時中学生だった僕は、とにかく有名な作品、いわゆるキネ旬ベスト10で上位に入ったような名作は何でも観ようとしていたので、この小林正樹監督の2本立てにも食いつきました。
image002-1
時代劇ということ以外、何の予備知識もないままに観て、その熱量の高さに圧倒されてしまいました。先に「上意討ち 拝領妻始末」を観て、三船敏郎さん演じる武士の一家に次々に降りかかる藩主からの理不尽に対し、ついに爆発する様に息詰まるほどだったのに、81W3hNIqBuL._RI_SX300_
続けて観た「切腹」はさらに輪をかけたような「権力」への反逆ドラマでした。しかも、その恨みが徐々に語られるからじわじわと締め付けられるような作劇。そして、もう「鬼気迫る」としか言いようのない仲代達矢さんの殺陣になだれこんでいくのですから、本当に2本観終わったあと、ずっと息を抜くことができない感じだったので酸欠状態に近いものがありました。719de72f
「若葉マーク」の映画ファンであった僕は、それまで映画を観終わって爽快になる経験がほとんどだったので、この2本立てはキツかった! もうクタクタになり帰宅したのですが、そこで「日曜日をムダに使ってしまった」とはならず、逆にその疲労感が忘れられずまた次の休みには映画館に足を向けてしまうのでした。
その後も数々の映画で魅了してくれた橋本忍さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
(ジャッピー!編集長)
にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!