昨日の当ブログで書いたように、中学生の頃「上意討ち 拝領妻始末」(1967 小林正樹監督)と「切腹」(1962 小林正樹監督)というストロングスタイルの2本立てを観て、僕は名画座通いにズブズブ入りこんでいくわけですが、「橋本忍」という脚本家の名前も強烈にインプットされました。
その後、何本も観ていくうちに、橋本脚本を特徴づけるものは「執念」だと気づきます。「悪の紋章」(1964 堀川弘通監督)は、罠にはめられ投獄された刑事(山崎努さん)が出所後、名前を変え別人になりすます復讐劇ですが、その「容赦しない」姿勢が強烈でした。1d951edfe986851c2c5d90f874e859d8


観たときは黒澤明作品の助監督だった堀川さんということもあって「黒澤明」テイストだなあと感じたのですが、よく考えてみるとこの「悪の紋章」は、橋本さんが朝日新聞に連載した原作小説を脚本化したものなので、この「執念」は橋本さんから生み出されているのかと思ったのでした。そう意識すると、橋本脚本の名作と言われるものはどれも「凄まじいまでの執念」が顕著なのです。だから、オリジナルでなくともそういう題材だと俄然橋本さんとの相性がアップします。正木ひろしさん原作の「首」(1968 森谷司郎監督)が良い例です。この作品では弁護士が真相をつかむためにとんでもない行動をとりますが、こういった真相追及のためには手段を選ばない姿勢は別名「狂気」とも呼べます。「上意討ち 拝領妻始末」、「切腹」の二本立てを観てぐったり疲れてしまったのはここにあったのです。「狂気」にはホッとする猶予も慰めも与えられません。まさに「容赦しない」のです。
橋本さんが代表作という「真昼の暗黒」(1956 今井正監督)では、ダウンロードannkoku

今井監督は「八海事件」(当時冤罪と言われていた)を「疑わしくは罰せず」の線で映画にする意図だったのが、橋本さんは膨大な警察調書を綿密に分析し、その調書の不備、欠陥を見つけ「これは絶対に無罪」と確信し、「もし万一、有罪だったら二度と映画は書かない」と言って書き上げたのですから、橋本忍さん自身、本当にひとつのことに没頭し、徹底的に追い詰める「執念の人」なのでしょう。snr100-jpp05953269
  (ジャッピー!編集長)
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