当ブログ9月23日「新宿昭和館残照3-映写技師は見た」にハピイさんが書かれていますが、昭和館で映写を担当されていた小林さんに「ジャッピー!」で取材をしました。僕がインタビュアーをつとめたのですが、職人気質のプロのお話は本当に面白く、時間を忘れるほどでした。まだフィルムが可燃性で細心の注意を払い、フィルムがさがって汚れてしまわないように映写室の床は毎日ピカピカにしていた話、名画座になってからは古いフィルムが回ってくるのでエーテルできれいに拭いて補正したり……お客さんにいい状態で観てもらうための努力を惜しまなかったという話……。この取材をしたとき、小林さんは40年以上も勤めた映写技師をちょうど退職されたばかりでしたが胸ポケットにはテスターやドライバーを入れて持ち歩き、ちょっと悪い所があればいつでも調べるという臨戦態勢で、衰えぬプロ意識には敬服しました。 
小林さんは昭和31年4月28日、昭和館地下がオープンしたときに入ったそうですから、まさに映画が娯楽の王様、黄金時代に映写機を回していたのです。(日本の映画観客動員数のピークは1958年=昭和33年)周辺にも多くの映画館があり、どこも満員だったとのこと。当時、新東宝の封切館だったので嵐寛樹郎さん主演のメガヒット作「明治天皇と日露大戦争」(1957  渡辺邦男監督)など連日超満員で1日5000人は軽く入っていたといいます。上の映画館でさばき切れないお客さんを地下に入れて時間をずらせてかけていたというのですから、ハピイさんが言うようにまさに今のシネコンの元祖です。ああ、タイムスリップして、その頃の昭和館を覗いてみたい!
その後、新東宝が潰れてからは、洋画を上映したり邦画各社の映画をかけるようになり名画座に移行していきます。小林さんが昭和39年からつけておられた上映番組の記録を見せていただいたのですが、まさに日本映画の豊穣さがうかがえるだけでなく、どういう組み合わせにお客さんが入ったのか、その時代や空気、傾向が分かる貴重な資料でありました!
インタビューをしたのは、2000年7月20日、今から18年前! 場所は昭和館近くの喫茶店「タイムズ」でした。現在も健在です。外から珈琲をテイクアウトできるフロントスペースができたものの、あの頃と同じ佇まいで、競馬のある日曜日など相変わらず満員の盛況ぶりです。一方、昭和館の建物はなくなり、その跡地にはキレイなビルが建ち、その3階には「K'sシネマ」というミニシアターが入っています。今年、「カメラを止めるな!」(2018 上田慎一郎監督)の大ヒット作品の発信地となりました。
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かつて映画黄金時代に大勢の人が押し掛けた場所に口コミで多くの観客が集まったというので嬉しくなりました。インディーズ版「アメリカの夜」(1973 フランソワ・トリュフォー監督)140241_01
ともいえる「カメラを止めるな!」、映画愛に満ちた作品です!
 (ジャッピー!編集長)
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