昨日の当ブログで取り上げた「集団左遷」(1994 梶間俊一監督)はリストラ寸前の男たち+高島礼子さんが困難に立ち向かい、誇りを取り戻す傑作です。バブル崩壊後という時代背景があります。特販部の部長となり、「昭和の男」の意地を見せる中村敦夫さんが缶のピースを吸っているなど小道具も考えられていました。映画はこういうディテールが大事ですね。
この作品の時代、1990年代を舞台にした映画をつい先日、観ました。「SUNNY 強い気持ち・強い愛」(2018 大根仁監督)です。
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元々「サニー 永遠の仲間たち」(2011 カン・ヒョンチョル監督)という韓国映画があって、前に観て大変に良かったので日本版リメイクを観に行ったのです。実は、僕は「サニー 永遠の仲間たち」を観たとき、これ池玲子さんと杉本美樹さんでリメイクしたら面白いなあとチラッと思ったのです。(お二人とも映画界から引退されているので見果てぬ夢ですが……)sunny

ストーリーはほぼ同じで、ヒロインがかつて仲良かった女の子に再会、病気で余命いくばくもない彼女の「もう一度昔の仲間に会いたい」という願いを叶えようと捜すうちに、現在大人になって様々な人生の苦難にある女性たちがまたあの頃の気持ちを取り戻す……というものです。現在と回想をダブル・キャストになっており、篠原涼子さんの若い頃を広瀬すずさんが演じています。ただ、「サニー 永遠の仲間たち」は1980年代が舞台で、「SUNNY 強い気持ち・強い愛」の方は1990年代に時代設定を変えています。なので、「サニー 永遠の仲間たち」はシンディ・ローパーさんの「ハイスクールはダンステリア」(Girls Just Want to Have Fun)などが劇中にかかります。そもそもタイトルの「サニー」は当時流行ったボニー・Mの「サニー」(ボビー・ヘブさんの1966年の大ヒット曲をディスコ調にアレンジしたカバー曲)に由来しています。
日本版映画は1990年代が舞台ということで、先日引退した安室奈美恵さんやTRF、hitomiさん、久保田利伸さん、パフィーなどの曲が使われています。特に安室さんの「Sweet 19 blues」が印象的な場面で流れます。音楽監修は小室哲哉さんでこちらも引退されたので最後の映画仕事となったと思います。そしてタイトルの「強い気持ち・強い愛」は小沢健二さんの曲が由来です。正直言って、僕は1990年代はというと、もう青春から遠く離れた年齢で仕事に追われていてこのあたりの曲は耳にしたことがあるぐらいの印象しかありません。しかし、この時代に青春を送った人にとってはこれらの曲が流れるだけで当時に引き戻されるでしょう。回想のシーンでは、田舎から転校してきた広瀬すずさんが普通のソックスを必死に手で引きのばして「ルーズソックス」にしようとしたり、皆がラルフ・ローレンのカーディガンを着ているのにおばあちゃんのカーディガンを着ていって笑われたりというのが描かれました。「チョベリグ」なんて懐かしい言葉も出てきました。こういうディテールも観る人を「あの頃」に引き戻したでしょう。
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映画は、あの頃ハジけていた女の子たちが、病気、夫の浮気、美容院が潰れたり、会社でバカにされたり……など皆それぞれ「波高し」の人生で、夢見た未来とはほど遠いものです。それでも何とかこうしてここまで生きてきたこと、それだけでも素晴らしいのだと讃えるように綴られます。
ラスト、亡くなった仲間の葬儀で一堂に会した彼女たちが皆いい顔をしていました! それを観て、先日、西城秀樹さんの特集上映に集まった「かつての少女たち」に覚えた感慨を思い出しました。(←当ブログ9月27日「ブロウアップ ヒデキ ペンライト上映を観に行きました!」をご参照ください)
(ジャッピー!編集長)
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