昨日の当ブログでは、今年9月19日に亡くなった秋山道男さんについて書きました。その9日後、9月28日に、もう一人、若松孝二監督作品に縁のある方が亡くなりました。歌手の渚ようこさんです。ダウンロードnagisa
渚さんは年齢非公表でしたが、おそらく40代か50代だと思われますので、まったく残念です。心不全による急死で、このところ当ブログで紹介している「止められるか、俺たちを」(2018 白石和彌監督)を公開しているテアトル新宿で9月29日に「公開記念オールナイト・イベント」でミニ・ライヴをやることが告知されてことになっていましたから驚きました。まさか、その前日に亡くなるとは……。
渚ようこさんは昭和歌謡のテイスト濃厚な歌い手として独自の位置にいらっしゃいました。渚さんが唄った「伊勢佐木町ブルース」が、ドキュメンタリー映画「ヨコハマメリー」(2005 中村高寛監督)に使われていて、青江三奈さんのオリジナルとはまた違う味がありました。昭和歌謡のカヴァーも多くて、「カスバの女」とか「同棲時代」、「夜へ…」とか、その選曲もイカシているのです。そう、思わず「イカす!」なんて昭和言葉を使ってしまいたくなってしまいます。衣装やメイクもサイケというか、ムード歌謡調というか昭和のアダルトな雰囲気を持った女性です。
そんな渚さんが「ここは静かな最前線」をカヴァーしていて、そのヴァージョンが「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(2008 若松孝二監督)の劇中に使われました。昨日の当ブログにも書いたように秋山道男さん(当時は秋山ミチヲ名義)が作曲し(作詞は足立正生さん)、元々「天使の恍惚」(1972 若松孝二監督)の中で使われた曲です。実は「天使の恍惚」に使われた曲はもう一曲「ウミツバメ」があり(こちらは秋山ミチヲさん作詞・作曲)、こちらにも ♪ここは~静かな最前線~という歌詞が入っているのでややこしいですが、双子のような曲といえばいいでしょうか。渚さんがカヴァーしているのは正確にいえば「ウミツバメ」なんですが、タイトルは「ここは静かな最前線」としています。冒頭に「ここは静かな最前線」のメロディーを足して「ウミツバメ」を唄っているのですが、これがまたいいんです。「天使の恍惚」は爆弾テロをしようとする過激派を描いていて、ちょうど「連合赤軍」事件の頃に公開され話題になりました。その「連合赤軍」を描いた映画に渚さんの歌が挿入され、今度は鎮魂歌のように聞こえました。
昭和の匂いを感じさせた渚ようこさん。突然の死で僕たちの前からいなくなってしまいましたが、年齢非公表ということも含めて、もしかしたら「昭和」からタイムスリップしてきた方だったのかも……なんてことを考えてしまいます。昭和歌謡の素晴らしさを再確認させてくれた渚ようこさんのご冥福を心よりお祈りいたします。 (ジャッピー!編集長)
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