昨日の当ブログで書いたように、江波杏子さんは、若尾文子さんの降板で「女の賭場」(1966 田中重雄監督)の主役に抜擢されました。賭博のシーンの所作などは、よく本物の賭場に出入りして遊んでいたという大部屋俳優さんに教えてもらったそうです。同時期に「賭博」シーンが多かった東映などは「本職」の方が指導していたといいます。そんなわけでリアルな賭場の緊張感が描けたのですね。
壺ふりの江波さんの「入ります」という科白も流行りました(子供でもマネしたり)が、「女賭博師」シリーズでは「サイコロ賭博」だけが描かれたわけではありません。例えば、「女賭博師みだれ壺」(1968 田中重雄監督)はタイトルと裏腹に、メインは「花札」による博奕です。images (1)
(前「よつや」、あと「おいちょ」というヤツです) 冒頭、向こう1年の縁日のショ場が決定する大勝負で、江波さん演じる銀子は長門勇さんに敗れ、親分(柳永二郎さん)が引き留めるのを断って「修行して来年は必ず勝てるようになります」と旅に出ます。凄腕の賭博師に扮した長門勇さんはいつものズッコケ調の人物ではなく、「目に見えないものを見ろ。耳で聞こえないものを聴け。それが極意だ」みたいな言葉を発したり、二枚目役。いつズッコケ調になるかと見ていると終始シリアスに演じ、意外でした。ラストなんか、悪玉の小松方正さんが銀子を斬りつけようとすると長門さんが花札をビュンビュン飛ばして救い、去っていくカッコよさ! 
長門さんに代わってコメディ部分を担当するのがお笑い芸人。銀子が旅に出たあと柳さんの組に残った夫婦の賭博師が京唄子さんと鳳啓助さん、こちらは「サイコロ」賭博で唄子さんは「やさぐれおまん」と異名をとっています。ところが、壺を振って開くとサイが1個しかありません。賭場の客が「お前の股に入ったぞ。吸い込みおまんだな」と言うのには笑いました。また、「てんぷくトリオ」がバクチをしていて三波伸介さんが女賭博師の股ぐらに目がいき負けるシーンも面白かったです。images (2)

また、銀子に敗れリベンジに燃える長谷川待子さんは尼さんの恰好、ゴーゴー・ガール(←さすが1968年の映画です!)から賭博師となる安田道代さんはミニスカ姿と、賭場に物珍しさで客を呼ぶ一種のコスプレ作戦です。
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ちなみにゴーゴー・クラブのシーンでは、「ザ・ラヴ」というグループサウンズが出ております。(「アウトキャスト」にいた藤田浩一さんが結成。レコーディングには加藤和彦さんが参加したことで有名)

ストーリーの方は、大勝負から1年後、銀子は再び長門さんと勝負となります。恩師の浪花千栄子さんから長門さんの弱点をアドバイスされますが、銀子はあえてその弱点を攻めず堂々と戦い勝ちます。ヒロイン江波さんの凛とした魅力が活かされ、笑いやお色気も散りばめられて文句なく楽しめる娯楽作になっていました。  (ジャッピー!編集長)
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