14日の当ブログで、今年7月に亡くなった三上真一郎さんが「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」の渦中にあった頃のことを書きました。やがて、映画も斜陽となり、三上さんは松竹を退社、他の映画会社の作品にも出て活躍の場を広げます。
「仁義なき戦い」(1973~1974)シリーズにも三上さんは出演されます。東映実録路線の幕を開いた9第1作「仁義なき戦い」(173 深作欣二監督)には「新開宇一」役を演じます。images (1)
復員兵や食いつめ者といった若者たちが集まり、戦後の焼け跡から発生した暴力団ですが、その中の一人です。組織が膨張する中で、内部抗争が始まり、松方弘樹さん演じる「坂井鉄也」と対立、最後は駅のホームで刺殺されます。(このシーンはゲリラ撮影で迫力あったなあ)
また、第4作「仁義なき戦い 頂上作戦」(1974 深作欣二監督)では「川田英光」という役で強い印象を残します。
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打算的なヤクザで、代理戦争の最中、どっちにつくか曖昧な態度をとり、自分の子分(というかまだバッジもないようなチンピラ)の小倉一郎さんを唆して松方弘樹さんを殺させます。小倉さんは原爆スラムに住む貧しい若者で、松方さんに可愛がられて信用を得ています。そこを利用して、三上さんが小倉さんに囁くのです。この名科白「ここらで男にならんと、二度と舞台はまわってこんど」は、個人的にも僕が30年以上勤めた会社を辞めるか迷っていたときに浮かんだ言葉でした。E4BB81E7BEA9E3818BE3828BE3819FEFBC9CE38282EFBC9E-thumbnail2
(詳しくは当ブログ2016年11月28日「仁義なき戦いは人生の金言集」をご覧ください)僕も失業して今も貧困に陥っていますが、小倉さんも松方さんを撃って逮捕、無期懲役になってしまいます。ともかく、この三上さんが悪魔の囁きを発するシーン、記憶に残る名場面でした。
劇中、松方さんが「あの川田というのはクセのある男じゃから……」と言うシーンがありましたが、その通り、「ぬらりひょん」みたいな役を三上さんは見事に演じていました。かつての松竹青春スターもこのとき33歳、挫折や屈託、人生経験が役者としての深みを増したのでしょう。かつて師匠の小津安二郎さんに「真公は50歳になったらいい役者になるぞ」と言われた三上さん、その予言よりもだいぶ早く、味のある演技を見せてくれました。  (ジャッピー!編集長)
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