今年の7月18日に、俳優の常田富士男さんが81歳で亡くなりました。
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常田さんというと、僕は「巨泉・前武ゲバゲバ90分!」のレギュラーで名前を覚えた記憶がありますが、その後、名画座で古い映画を観ると、「あそこに出ていた」と気づくことも多かったです。
「ゲバゲバ」の後では、「野良猫ロック 暴走集団’71」(1971 藤田敏八監督)が印象に残っています。
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この映画については当ブログ2017年10月24日「モップスが登場! 野良猫ロック暴走集団’71」にも書きましたが、新宿西口に荒野のように広がる淀橋浄水場跡に廃バスをねぐらにしている集団が登場します。ドテラを着た原田芳雄さんを中心に男女混合でコミューンみたいに暮していて、60年代末のカリフォルニアあたりのヒッピーを思わせます。この中のひとりが常田富士男さんで、いかにもフーテンという佇まいがピッタリです。集団の中にひとりの小さな子どもがいて、常田さんはその子の父親ということになっていますが、男たち全員が関係を持った女が産んだらしく、女の父親が出したお金につられて常田さんがとりあえず自分の子としたのです。でも、常田さんが「本当はオレはあの時、勃たなかったんだよ……」と告白、原田さんに向かって「最近、この子、あんたに似てきたぞ」と言うと、原田さんがギョッとするのが面白いです。DibscBMVQAA7pOE

そんなトボケた常田さんですが、仲間と街を歩いていて道路工事の削岩機を見つけ、それを作動させるとその振動で恍惚となり、あっけなく死んでしまうのです。(心臓麻痺?) このあと、グループは拉致された仲間の梶芽衣子さんを取り返しに地方のボスと闘う展開になるので、物語が本格的に転がる前に常田さんは退場するわけです。でも、この常田さんの死は、ガンガンと高層ビルを建てていきフーテンたちの居場所が追いやられることを何だか象徴しているように見えました。「荒野の流れ者」(1970 サム・ペキンパー監督)のラスト、主人公(ジェイソン・ロバーズさん)が車に轢かれて死ぬのが、馬に代わって車という「文明」がやって来て「西部の終わり」を表したのを思い出させるのです。削岩機による常田さんの死はヒッピーという「土着」の終焉を暗喩するようでした。
この常田さんの「土着」イメージが、のちに、「日本むかし話」のナレーターとして味わい深い声を聴かせるのも繋がっているように感じます。
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数々の映画(特に市川崑監督の後期作品には欠かせない役者でしたね)で楽しませてくれた常田富士男さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
(ジャッピー!編集長)
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