今年の10月4日に映画監督の古川卓巳さんがお亡くなりになりました。220px-Takumi_Furukawa
101歳ですから大往生といってもいいかもしれませんが、古川さんが日活に入ったのは1941年(昭和16年)ですから戦前の日本映画界を知る人がまたひとりいなくなるというのは淋しいことです。
訃報を伝える新聞記事も『「太陽の季節」の古川監督が~』という書き方をしていました。芥川賞をとって話題の小説の映画化というだけでなく、石原裕次郎さんが俳優になるきっかけになった作品ですから、この肩書きになるのは当然かもしれません。「太陽の季節」(1956 古川卓巳監督)は長門裕之さん主演ですが、石原裕次郎さんがチラッと出ているのです。本当に湘南で遊んでいる裕ちゃんにリアル「太陽族」の言葉使いや振る舞いのアドバイスしてもらうために撮影に呼んだところ、一目でそのオーラを見抜いた古川監督、急遽シナリオに登場シーンを書き加えた……という風に伝わっています。images (1)
(実際には、すでに水の江滝子プロデューサーに認められてスクリーン・テストとして出たという説もあり)ともかく、裕ちゃんを銀幕に最初に映し出したことで「太陽の季節の古川監督」と言われるわけですが、僕はこの方はハードボイルドなノワール映画の資質があったと思います。
古川監督の代表作は断然「拳銃残酷物語」(1964 古川卓巳監督)です。仮出所した宍戸錠さんが、依頼され現金輸送車強奪グループの雇われリーダーになります。集められたのは小高雄二さん、井上和文さん、草薙幸二郎さんで、この4人が計画を話し合うのをロングで撮った画面など、ちょっと洋画っぽくてワクワクしました。「日本ダービー」で金が集まる競馬場からの輸送車を襲撃、1億2千万円もの現金を奪いますが、仲間割れ、依頼主の裏切りなどが展開されます。と、こう書くと賢明な読者諸兄はお気づきでしょうが、犯罪映画の名作「現金に体を張れ」(1956 スタンリー・キューブリック監督)を焼き直した作品です。
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札束が風に舞うショットもあるし、苦いラストも同様です。しかし、元ネタがあるとはいえ、硬質な映像に漲る緊迫感、錠さんの見事なガンさばきもあって楽しめる作品になっていました。他にも「太陽の季節」の主役コンビ・長門裕之さん&南田洋子さんを起用した」「麻薬3号」(1958 古川卓巳監督)も神戸の無国籍な雰囲気を見事に活かしたノワールの傑作でした。
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日活アクションの中でも、ハードボイルドな匂いがする作品で楽しませてくれた古川卓巳監督のご冥福を心よりお祈りいたします。 (ジャッピー!編集長)
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