昨日の当ブログで、この1月15日に閉店してしまった池袋の喫茶店「ハイマート」への哀惜と感謝を書きました。昨日も書いたように、ひとつの店に通いつめる性質(たち)の僕はこれから何処で映画を反芻すればいいのだろう……と途方に暮れています。「スターバックス」とかではどうしても落ち着かないのです。何とかマキアートだか、フランペーノだか知らないが気取ってるんじゃないぜ。コーヒー1つ頼んだってショートとかトールとか、しゃらくさい。「映画」と「喫茶店」がセットになっている僕にとっては、「映画館」とともに昭和の街に欠かせない「喫茶店」が「シネコン」と「カフェ」に駆逐される構図が重なります。
「ハイマート」は池袋という土地柄、風俗店関係者とスカウトされた女の子の面接や、最近では近くに「乙女ロード」もあったりでアニメオタクの女の子たちが収穫を披露しあう場面も多くなりました。その一方、昔からいつも目にする常連客?も何人もいました。匿名性というか、ひとりになる空間でもあるのが「喫茶店」ですから、もちろん、どういう来歴の人かは知らないし、声をかけたこともありません。が、同じ空間で人生のひとときを交差した縁も感じますし、あ、あの人いつもの席に座ってると見ると何だか安心したり。いつも、新聞のパズルを黙々と解いている方、窓際の席でずっと外を眺めている人、スポーツ新聞を広げて競馬の検討に没頭している人……多くは中年より上の年代で、それぞれがこの店でのルーティンを持ち、いつも同じ時間を繰り返していたのでしょう。それぞれがそれぞれの孤独や屈託を抱え、この店にやって来て、時の止まったような空間に身をゆだねる……。僕もそのひとりだったわけですが、そんな彼らがこの店が無くなったあと、どこに居場所を見出していくのかと思ってしまうのです。これは、昔、「新宿昭和館」が閉館するときに感じた思いと同じです。あの古びた映画館に集まって任侠映画を観続けていた方たちはその後、どこに行ってしまったのだろう? 
今、閉店し、がらーんとした元「ハイマート」の空間にはきっと昭和30年以来のそこに通った人たちの体臭や想いがきっと充満していると思うのです。何十年分の濃密な目に見えない「気」のようなものが漂っていることでしょう。 (ジャッピー!編集長)
 新宿昭和館イラスト1995

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