昨日の当ブログで書いたように、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(2018 前田哲監督)は大宅賞も受賞したノンフィクションの原作をうまくさばいた脚本とキャスティングで成功していました。主人公の鹿野靖明さんを演じた大泉洋さんは、病気が進行して次第に衰弱していくので撮影に入ってから10キロもの減量をしたそうです。たしかに映画の後半はずいぶん頬がこけていたように見えました。また、極度の近眼だった鹿野さんがかけていたのと同じ、度の強い眼鏡をかけるためにわざと視力を落とすコンタクトレンズをつけた上で眼鏡をかけたそうです。そういったビジュアル面での努力もありますが、やはり大泉洋さんという役者の陽性なキャラクターがうまく「鹿野さん」という役に合致したのだと思います。鹿野さんを身近で見続けた原作の渡辺一史さんも「大泉さんの何事にも丸裸で必死で、どこか憎めない人物であるという点ではまさに瓜二つでした」と言っているぐらいです。
最近、こんなことを言っている人がいました。「ガスト」でモーニングを食べている時、近くにいた見知らぬ若い男ひとりと女性二人の話が、聴くともなく聞こえてきたのです。満員電車の「あるある」みたいなことを喋っていて、「携帯いじってる人にやめろ!と怒鳴っている人がいたよ」「こわ~い」「ペースメーカーをつけていたみたい」「あ、じゃ言うか。でも、ペースメーカーつけてるんなら満員電車なんて乗らなきゃいいのに」という会話でした。もう完全に「ペースメーカー」つけている人は普通の生活しようなんて思うなという言い方でした。チラッと見ると、真面目そうな青年でしたが、ふっとそういった「差別意識」が出てしまったのです。こういう人はけっこういるのではないでしょうか。勿論、自分だって知らない間にそういった言い方をしてしまっているかもしれません。
ちょうどこの映画を観たばかりだったので、劇中、鹿野さんが「僕たちは普通に生活がしたいんだ」と言う場面を思い出しました。退院は無理だと言う医者に対して「先生だって仕事が終われば家に帰るだろ。僕だって同じですよ。家に帰って生活したいだけです」と言うのです。本当に当たり前のことをしたいのです。それに手助けが必要だから手助けをする。「やってあげてる」でもないし、「やってもらっている」ということでもない、そういうことがごく普通に自然に受け入れられる世の中になるといいなと思います。この映画、「ガスト」にいた青年たちのような人にも観てほしいですね。
えっ、自民党の杉田某に見せたらどうかって? 「生産性がない」とか言って撤回もしない人に見せても無駄でしょう。そもそも「心の知能指数」が低いのだから何も感じないんじゃないですかね。
(ジャッピー!編集長)
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