昨日の当ブログで書いたように、「桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール」(1978 小原宏裕監督)の主演コンビ、竹田かほりさんと亜湖さんは当時の映画界で気鋭の監督たちに起用され大活躍でした。竹田かほりさんは日活のゴールデンウイーク公開「桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール」の4カ月後、今度は日活の夏休み公開の一般映画「帰らざる日々」(1978 藤田敏八監督)、年末には「殺人遊戯」(1978 村川透監督)に出演と、すっかり当時の映画好きの若者たちの心をつかみました。
「殺人遊戯」に続いて松田優作さんと共演したのが「俺達に墓はない」(1979 沢田幸弘監督)です。この作品も東映セントラル・フィルム製作で、黒澤満プロデューサー(当ブログ2月16日「追悼・黒澤満さん」参照)と沢田幸弘監督という「日活ニューアクション」の現場にいたお二人がタッグを組んでおりますから、まさにプログラム・ピクチャー!で理屈抜きで楽しめる作品です。
優作さんと弟分の岩城滉一さんが暴力団事務所の金庫を狙いますが、同じ目的の志賀勝さんと鉢合わせ、お金をめぐって優作さんと志賀さんが殴り合い(壮絶!)している間に札の大半を川に流してしまいます。優作さんと志賀さんは意気投合して次の「デカいヤマ」に挑みます。ヤクザの主催する賭博ツアーのバスを襲撃して大金を強奪しますが、ひとり外された形の岩城さんが嫉妬?し、仲間割れに発展するというストーリーです。岩城滉一1975年、元クールスにいた柄を活かして「暴走族」映画のヒーローでデビューしていましたが、この映画ではドジばかりの弟分役で、仲間割れの原因もほとんどこの弟分の嫉妬と誤解に端を発します。ヤクザに捕まってブタ小屋に入れられ、豚まみれになるシーンなど、かつての暴走族ヒーローが……と妙な感慨を覚えます。
竹田かほりさんは、優作さんと岩城さんが根城にするバーに転がり込む女の子で、シャブ中毒。3人組が争っている隙に札束の入ったカバンを奪って逃げる竹田さんを見て、優作さんが「あの桃尻娘め!」と言うのには笑いました。おそらく優作さんのアドリブと思われます。したたかな竹田さんも含めての仲間割れに暴力団の追撃と最後まで目が離せません。爆発でミイラ男と化す暴力団幹部の石橋蓮司さんにも注目です。
劇中、バーの二階で、岩城さんが竹田さんにのしかかりコトに及ぶシーンがあります。竹田さんがヌードを見せるこの場面のバックにかかっているのが、何と!甲斐バンドの「HERO(ヒーローになる時、それは今)」なのです。皆さんご存知のように、のち1982年に竹田さんは甲斐よしひろさんと結婚して女優を引退するのですが、このシーンに流れた甲斐バンド、果たして偶然なのか、それにしてはあまりのタイミング。それともこの頃からもうお二人は付き合っていたゆえの選曲なのか。ちょっと真相が知りたくなります。
プログラム・ピクチャーの面白さが詰まった快作「俺達に墓はない」は、明日23日(土)、池袋の新文芸坐で上映されますから是非ご覧ください! 併映は「蘇える金狼」(1979 村川透監督)です。
(ジャッピー!編集長)


にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!