今日3月10日は74年前に「東京大空襲」があった日です。1945年(昭和20年)のこの日、東京上空から米軍機が32万発もの爆弾を投下、約10万人が亡くなったのです。家を焼かれ、燃えさかる火の中で逃げまどう人々の恐怖はいかばかりか……もうすぐ「平成」も終わりますが、語り継いでいかねばならない記憶であります。
その「東京大空襲」もモチーフとなっている映画を最近観ました。「あの日のオルガン」(2019 平松恵美子監督)です。平松恵美子さんは山田洋次監督の「家族はつらいよ」シリーズで共同脚本を書いていますので、その縁でしょう、橋爪功さん、夏川結衣さん、林家正蔵さんが出演しています。主演は戸田恵梨香さんで、「疎開保育園」のリーダー役です。戦火が激しくなってきた当時、小学校の疎開は多く行われましたが、「保育園」の疎開というのは行われていなかったのです。国もそこまで手が回らかったのでしょう。しかし、いつ空襲が来るかという状況に危機感を持った戸田さんらは自分達で疎開の受け入れ先を探し、ようやく埼玉県桶川の廃寺を見つけます。「幼い子ども」を話したくない親への説得、受け入れ先の村には食べ物の供出など負担がかかるのでいい顔をしない住民もいます。気の強い保母の戸田さんですが、そういう村人に頭を下げて頼み込み、理解を得ます。ボロボロの寺を何とか修復し、わずか6人の保母で53人もの幼児の面倒を見るのです。
映画は、新米保母の大原櫻子さんの視点で語られます。子どもと一緒に遊び、慕われますが、ドジも多い大原さんは、厳しい戸田主任に怒られます。ビンタもくらいます。本当に青筋たててギャンギャン噛みつくような役で、戸田さんはよく引き受けたなあと観ながら思いましたが、終戦になり最後の園児を送り出したあと泣き崩れるところとか良かったです。それだけの責任を背負っていたということを見事に体現していたなあ。大原さんも柄に合った好演だったし、同僚の保母で大原さんの親友役の佐久間由衣さんも良かったです。朝ドラ「ひよっこ」でもそうだったんですが、佐久間さんって「昭和」を感じさせると思います。
知らなかったのですが、この「疎開幼稚園」は実話で、最後のタイトルロールで戸田さんが演じた役の実際のモデルの方の写真が映り、「疎開した子どもたちと今でも交流がある」というテロップが出ます。過酷な状況の中で必死に子どもたちを守った保母さんたちがいた……という実話の重みに感動しました。一方、今の日本では、南青山に「児童相談所」を作るといったら、セレブな住民たちが「街のブランドが落ちる」とかほざいて反対したり……自分だけ良けりゃいいという国になりさがってしまいました。 (ジャッピー!編集長)


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