ロック・シンガーで俳優の内田裕也さんが一昨日、3月17日に亡くなりました。79歳です。ここ数年は車椅子に座っており、満身創痍という感じでしたが、年末恒例の「ニューイヤーズ・ワールドロック・フェスティバル」にも出ておられたようなので、まだまだ元気かと思っていました。残念です。昨年9月に樹木希林さんが亡くなってから約半年。あとを追うような形になってしまいましたが、1973年の結婚以来ほとんど別居という結婚生活、ようやく天国で一緒に落ち着いているでしょうか。それとも、照れて「てめえ、この野郎」と悪態をついているでしょうか。
前に「神宮希林 わたしの神様」(2014 伏原健之監督)という映画を観たことがあります。20年に一度の伊勢神宮の遷宮を樹木希林さんが訪ねるドキュメンタリーです。樹木さん初めてのお伊勢参りをカメラで追いながら、樹木さんの生活環境も映し出し、さらに死生観などにも触れていくのです。コンクリート打ちっぱなしの洒落た自宅(やっぱり、いい家だったなあ!)にカメラが入り、希林さんの「ティッシュ1枚でも使い倒す」というムダのない生活ぶりが語られます。そして、希林さんは「内田裕也さんの部屋」として空けている部屋も紹介します。「めったに使わないのよね。だからこの部屋はシャワーだけなの」と言ったら、裕也さんが「何でお前の部屋だけ風呂があるんだ!」と怒ったそうです。すかさず「あら、ロックは風呂なんて浸からないでしょ」と希林さんが切り返すと、裕也さんが「馬鹿野郎!ロックだって風呂に浸かりたいんだ!」と言ったというエピソードには笑ってしまいました。
こうして希林さんが裕也さんの素顔が伺えるエピソードを紹介するまでもなく、破天荒な言動で知られた裕也さんですが、けっこう「カッコ悪い」ことも多かったように思います。カッコつけようとして情けない部分も見える人でした。しかし、この「カッコ悪さ」がカッコいいというか、もがいたりスベッたり、時には無様だったり、矛盾するところも弱いところも見えるのが「ロックンロール」なんだと思うのです。生き方にウソがないというか。そういう意味で裕也さんは本当にブレずに「ロックンロール」人生を全うした方だったと思います。そして、希林さんが離婚せず見守っていたことを「純なものがひとかけらあるから」とおっしゃったのはそういう点ではないかと思うのです。何年か前に交際相手とヨリを戻そうと家宅侵入した事件のときに、記者に対し「ロックンロールに免じて勘弁してくれ」と言ったのはギャグでも何でもなく、そうとしか言えなかったのだと思います。みっともなかったり、情けなかったりしても、それがオレで、オレの生き方なんだというような。
「神宮希林 わたしの神様」は希林さんの「一言で言うと、人間っていいなあ、そんなところかな」という言葉で終わります。裕也さんとは「女と男」とか「妻と夫」とかでないレベル、魂に共鳴するものがお互いにあったのだと思います。生涯「ロックンロール」を体現され、多くの音楽、映画で楽しませてくれた内田裕也さんのご冥福を心よりお祈りいたします。ロックンロール! サンキュー!
(ジャッピー!編集長)
にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!