朝ドラ「なつぞら」は、先週、酪農をめぐって藤木直人さんと草刈正雄さんが気まずくなったことに悩む「なつ」(広瀬すずさん)が先生に相談したのが切っ掛けで、演劇に出ることになる展開でした。演劇部の顧問である先生を演じるのが、柄本佑さん。「まんぷく」のヒロイン、安藤サクラさんに続いて今度はご亭主が朝ドラに登場です。(今、大河ドラマ「いだてん」には柄本時生さんも出ていますから、柄本・安藤家はNHKに大貢献ですね) この柄本佑先生が書き下ろした台本には頑なな草刈さんを説得するテーマを織り込まれていて、遅れて観に来た草刈さんの心がほどけます。
この劇は「白蛇伝説」をモチーフにしていましたが、これはもちろん、東映動画「白蛇伝」(1958 藪下泰司監督)へのオマージュをこめています。広瀬すずさん演じる「奥原なつ」のモデルは東映動画のアニメーターの草分け、「奥山玲子」さんです(当ブログ4月7日「『なつぞら』と南青山のセレブども」参照)から、当然「白蛇伝」にもすでに関わっています。
少年のときに可愛がっていた白蛇が美女に化身して恋に落ちる……という中国の民話を基にした話は、「白夫人の妖恋」(1956 豊田四郎監督)が池部良さんと山口淑子さんのコンビで映画化しています。円谷英二さんが日本映画史上初めてブルーバック合成を使った特撮もあり、良い映画でした。これが、香港で大ヒットして、香港映画界から東映にアニメ化の要請がきたのが切っ掛けといいます。中国の話の逆輸入ということですね。
しかし、これだけの長篇アニメを作るには人手が足りません。そこで弱小会社だった「日動映画」を丸ごと東映が買収、「東映動画」としてスタート。ほとんど素人のスタッフを育てながら、2年をかけて完成したのが「白蛇伝」で、ここに「奥山玲子」さんは参加していたのです。これから「なつぞら」でどのようにアニメーター創成期が描かれるか楽しみです。たしか、人物の動きを模写するのに実写を撮り、アニメに描くという手間をかけており、ヒロインの動きを当時新人の佐久間良子さんがやったというエピソードを話されていたのを覚えています。また、後になって、「白蛇伝」の何人か(あと、パンダとか)のキャラクターを全て森繫久彌さんと宮城まり子さんが二人だけで声を担当しているのを知ってびっくりしました。
僕も子どもの頃に観た「白蛇伝」、その美しさに魅せられたものです。ディズニー・アニメは観ていましたが、東洋風の絵のタッチ、優しい色使いに一味違うものを感じましたねえ。ディズニーがポップなプラスチックの玩具とすると、「白蛇伝」は「回り灯籠」や「影絵」のような手作り感がありました。人物の顔が東洋風というだけでなく、この「手ざわり」がやはりピッタリくるのです。この時代のアニメというと、座ってみた体育館の匂いとかが蘇ってくるので「郷愁」ポイントが入っているかもしれませんが。
昨今は「スタジオ・ジブリ」作品とか、高度な技術を駆使したアニメが続々と作られて「クール・ジャパン」の象徴ともなっていますが、昭和オヤジの僕にとっては、アニメといえば「白蛇伝」で感じた儚い美しさであり、「こうした豊かなアニメを体験できた子ども時代を過ごせて良かったなあ!」とつくづく思うのです。今日は「昭和の日」なので、そんな感慨に浸るのでした。 (ジャッピー!編集長)

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