今年の4月17日に、劇画原作者の小池一夫さんが亡くなりました。82歳です。小池一夫劇画塾を主宰し、多くの後進を育てていましたから、まだまだ活躍してほしかったので残念です。
劇画原作の道に入る切っ掛けは、さいとうたかを先生の「さいとうプロ」の公募に応じ、合格したことです。当時、少年マガジンで『無用ノ介』(←大好きでした!)や、ビッグ・コミックで『ゴルゴ13』を連載するなど、大忙しの「さいとうプロ」は早くから、原作、脚本、構図、作画など分業スタイルを採用していました。(それを明記していたのが、映画の「エンド・ロール」みたいでしたね)
小池さんの出世作となったのが『子連れ狼』です。当ブログ5月12日「追悼・モンキー・パンチ先生」で取り上げた『ルパン三世』同様、「漫画アクション」に連載されました。小島剛夕先生の豪快なタッチの作画と相まって人気を呼びます。「拝一刀」という強烈なキャラクターで引っ張っていく作りは、「さいとうプロ」時代に『ゴルゴ13』などで学んだのではないかと思います。以後の『御用牙』『修羅雪姫』なども、強大な敵に単身挑む強烈なキャラクターという点で共通しています。
『子連れ狼』は、何度も映像化されていますが、一番最初に目をつけたのが若山富三郎さんです。原作漫画を読んで惚れ込んだ若山さんは、即、小池先生の自宅を訪れ、庭でいきなりトンボをきったそうです。(体型のわりに身が軽く運動神経がすぐれている若山さんはトンボをきるのが得意)そして、見事に映画化権を獲得。弟の勝新太郎さんの「勝プロ」製作で第1作『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』(1972 三隅研次監督)が公開されます。若山さんの体技を活かした殺陣が全篇に繰り広げられ、今までの時代劇にないスピードとテンポでした。血が豪快に噴き出るスプラッター描写も話題となり、大ヒット。この1972年のうちに4本!も公開されたのです。4本目の『子連れ狼 親の心子の心』(1972 斎藤武市監督)は12月30日公開のお正月映画です! お正月から、首が飛び、血が噴出する時代劇を公開するんだから、いかに人気があったかが分かります。映画化を思いついた若山さんのカンも大したものであります。シリーズは1973、74年にも続き、全6本が公開されました。
この映画シリーズが当たったこともあり、翌年1973年には萬屋錦之介さん主演の『子連れ狼』が日本テレビから放映されます。こちらは、テレビということもあり、スプラッター的な描写はなく、錦之介さんらしく正統派時代劇という感じで、映画版とは全く違うテイストでしたがこれはこれで楽しめました。♪しとしと、ぴっちゃん、しとぴっちゃん~という橋幸夫さんの主題歌も有名ですね。
ずっと後、田村正和さん主演の『子連れ狼 その小さき手に』(1993 井上昭監督)という作品もありましたが、こちらは「田村正和」さんの個性が立ちすぎて、まるで眠狂四郎のような感じでちょっと違和感ありましたが……。やっぱり、若山富三郎さんの『子連れ狼』シリーズが一番、小池一夫先生の世界に合っていたなあ。小池先生も、若山さんも読者、観客に対するサービス精神という点で相通じるものがあると思います。
数々の原作が映画、テレビになって楽しませてくれた小池一夫先生のご冥福を心よりお祈りいたします。 (ジャッピー!編集長)
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