昨日の当ブログで書いたように、1972年から1974年にかけて全6本が作られた若山富三郎さん主演『子連れ狼』は、いずれも勝新太郎さん主演作と組み合わせて「勝プロ」二本立てという思わず顔がゆるんでしまうようなラインナップになっていました。ただ、「勝プロ」は1974年にテレビドラマで『座頭市』を作り始め、これに勝さんが映画なみのこだわりを見せ、度重なる予算オーバーが続き、とうとう『子連れ狼』の映像化権利を売ってしまいます。これで映画版『子連れ狼』シリーズは終了となり、若山さんは激怒、以後、弟の勝さんと仲が悪くなってしまったといいます。
それはともかく、『子連れ狼』シリーズは海外でも人気を集めました。アメリカのオタク青年?たちが日本のマンガに注目をし始めたこともあります。その映画化ということで、アメリカ映画にも影響を及ぼします。有名なところでは、『ロード・トゥ・パーディション』(2002 サム・メンデス監督)がありますね。タイトルは直訳すれば「地獄への道」ですが、これは『子連れ狼』のキメ文句「冥府魔道」からとっています。第5作『子連れ狼 冥府魔道』(1973 三隅研次監督)のタイトルにもなっています。マフィアのボスのドラ息子に妻と次男を殺されたトム・ハンクスさんが残った長男とともに復讐を誓い、組織は殺し屋を送りこむ……というストーリーはまさに『子連れ狼』そのままですが、荒唐無稽なアクションが売りの若山さんの映画とは違って、こちらは雨の中でマシンガンの銃火が光る場面や、陰影に富んだ映像でまさにノワール風味の渋い映画に仕上がっていました。アカデミー賞では「撮影賞」を受賞しています。また、トム・ハンクスさんに加えて、ボスを演じたポール・ニューマンさんもさすがの名演でした! 
そして、小池一夫先生の原作が影響を与えたといえば、『修羅雪姫』(1973 藤田敏八監督)を引用した『キル・ビル』(2003 クエンティン・タランティーノ監督)もそうです。こちらは、日本人スタッフやキャストも参加しており(栗山千明さんの役名は「ゴーゴー夕張」)、まあ確信犯的に日本映画を意識しています。黄色いジャージ?を着たユマ・サーマンさんの活躍を描くので、香港映画とかも含め、まさに映画オタク・タランティーノ監督の個人的映画史の集大成といった趣きです。しかし、対決のシーンとか、まさに『修羅雪姫』そのもののセットで(だけどラストに流れるのは「怨み節」です)、再現という感じで、何だかな~と感じました。小池先生の原作から見事に違う味わいのノワール映画を構築した『ロード・トゥ・パーディション』と違って、これじゃあ、「オマージュ」じゃなくて「パクリ」じゃないかよ、タランティーノさんよ、というのが正直な気持ちです。
『修羅雪姫』については「ジャッピー! 19号」にてハピイさんがイラスト付きで原稿を書いています。(この19号は「西島秀俊」さんロングインタビューも載っていることもありプレミアものです)
(ジャッピー!編集長)
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