梶芽衣子 ジャッピーイラスト
ひとつ前の当ブログでふれた『修羅雪姫』(1973 藤田敏八監督)は、監獄で産み落とされた少女「雪」が、獄死した母の怨みをはらすため、仇を探し出し復讐するという物語です。同じ小池一夫先生の『子連れ狼』と同様、復讐、たったひとりで「権力」に立ち向かうという構図です。寡黙のヒロイン、梶芽衣子さんのキリッとした視線、まさにハマリ役です。
いろんな殺し方が出てきますが、もっともインパクトがあったのが、仇のひとり、中原早苗さんの首吊り死体を真っ二つに輪切りにするシーンです。このシーンは忘れられません。小さい子どもが見たらちょっとトラウマになりそうな凄絶なものでした。(「ジャッピー!」19号のハピイさんのイラストにもこの場面が!) 当ブログ5月15日に書いた、映画『子連れ狼』のスプラッター描写が話題になったので、劇画調をさらに押し進めたのでしょう。
今でこそ、日本の映画館でも「PG12」とか「R15+」など、細かく年齢制限が決められていますが、小池一夫先生原作の映画が量産されていた1970年代当時は、「18歳未満禁止」というハードルしかありませんでした。おまけに、これは「性描写」に対する制限だったので、「ヴァイオレンス」はスルーでした。小池一夫先生の原作映画の特徴は「エロス」と「ヴァイオレンス」ですが、たしかに当時「成人映画」に指定されたのは『ポルノ時代劇 忘八武士道』(1973 石井輝男監督)や『下苅り半次郎 ㊙観音を探せ』(1975 原田隆司監督)などの「エロチック」作品だけで、「ヴァイオレンス」は引っかかりませんでしたね。
『子連れ狼』や『修羅雪姫』で、首が飛んだり、血が盛大に噴き上がったり、中原早苗さんの上半身と下半身が離れてしまっても、普通に子どもでも観ることができたのです。こういった面も、アメリカで人気になり、フォロワーが生まれた背景にあると思います。アメリカでは「残酷描写」にはうるさく、制限も厳しかったので普通のキッズには観れなかったのに、日本では観れるのか!と。
そういえば、それより前1960年代に作られた『大菩薩峠』(1966 岡本喜八監督)もアメリカで上映されたときに、現地の映画ファンの間で話題となったそうです。これも、仲代達矢さん扮する主人公の「机龍之助」が斬って斬って斬りまくる展開に「あいつはドラッグをやっているのか。だからあんなに人を斬りまくるのか」という反響があったそうです。『大菩薩峠』は冒頭から、龍之助が巡礼の老人を斬るところから始まり、なぜ斬るのか……剣の魔性のようなことがテーマですが、アメリカの人には「クレージー」としか見えないわけです。まあ、その後、アメリカも銃を乱射し「無差別殺人」が繰り返される国になりましたが。  (ジャッピー!編集長)

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