昨日の当ブログでちょっと触れた、小池一夫先生原作『ポルノ時代劇 忘八武士道』(1973 石井輝男監督)も、『子連れ狼』の若山富三郎さん同様、主演の丹波哲郎さんが原作を気に入り映画化を提案したと言われています。その丹波さん、裸の女刺客に囲まれ楽しそうに?演じていました。(これがやりたかったのかな?) 丹波さんが演じたのは、「人を斬り過ぎた」と語る虚無的な男。役名は「明日死能=あしたしのう」です。小池一夫先生の登場人物やタイトルには独特のネーミング・センスがありますね。『修羅雪姫』は「白雪姫」のもじりですし、『鬼輪番』は「お庭番」のもじりです。
劇画(原作・小池一夫さん、作画・やまさき拓味さん)は読んでいないのですが、映画化された『鬼輪番』(1974 坪島孝監督)は観ています。ちなみに、公開時の併映作は『御用牙 鬼の半蔵やわ肌小判』(1974 井上芳夫監督)ですから、「小池一夫先生原作の“鬼”二本立て」ということになります!
「鬼輪番」とは、幕府に養成された特殊隠密チームで、忍びというかスパイとして命令に従います。この「鬼輪番」の若者5人を演じるのが、近藤正臣さん、峰岸徹さん、水谷豊さん、高峰圭二さん、そして紅一点の荒牧啓子さんです。冒頭にこのチームの過酷な訓練が描かれるのですが、その中で首領(鬼親と呼ばれている)から「男は男の性を極め、女は女の性を極め、捨て去れ!」と言われ、荒巻さんは裸にされ、仲間たちに次々に犯されます。任務によっては「性」も武器にするという訓練なのですが、乳房を全開にする荒牧さん、熱演でした。この映画では「新人」とただし書きがついていました荒牧啓子さん、その後あまり見かけなくなってしまいましたが、僕はこの映画一本でファンになってしまいました。
そんな非情なスパイ訓練を経て、幕府のエライ人(佐藤慶さん)からのミッションが、「親藩の紀州藩への潜入」です。紀州藩が武器を大量に購入して幕府への謀反を考えているらしいという情報があり、その武器蔵を破壊せよという任務です。5人は変装などして潜入します。(この潜入時も、女衒の前で荒牧さんが全裸になるシーンがありました) 捕まって拷問を受けたり、特殊な鉄格子に挟まって絶命したり、命を落とす者が出ますが、任務を遂行します。中でも、蟻地獄のような流砂の穴に閉じ込められるのが迫力ありました。
そして、生き残った近藤さんと水谷さんがつかんだ意外な真相。紀州には「大量の武器」などなく、幕府こそが紀州に武器購入を薦め紀州の財力を奪い、さらに「謀反」の濡れ衣を着せてぶっ潰そうとしていたのです。すべては幕府が書いたシナリオで、「鬼輪番」たちはそれに真実味を持たせるために利用されていたのです……。この話、何かを想起させませんか? そうです、僕はアメリカが「大量破壊兵器」を理由にイラクを攻撃したときに、真っ先にこの映画を思い出したのでした。さすが、小池一夫先生、「権力」のやることをまるで予見したような内容でした。 (ジャッピー!編集長)
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