昨日の当ブログで書きましたが、「国立映画アーカイブ」展示室にて開催されている「映画イラストレーター・宮崎祐治の仕事」展を観に行きました。この展覧会「キネマ旬報創刊100年記念」という副題もついているように、「キネマ旬報」で描かれた仕事が多く展示されています。昨日紹介した、毎年のベストテン号恒例の「映画街路図」もそうですが、近年連載した「東京映画地図」も好企画でした。東京の各地を舞台にした映画を、イラスト入りの地図と文章で紹介したもので、この連載をまとめた本も購入しました。宮崎さんによると、川本三郎さんの「銀幕の東京」(中公新書)にインスパイアされ、これを宮崎さんお得意の「地図」で表せないかなと思ったのが切っ掛けだそうです。本には、その川本さんとの対談も掲載されています。映画に映し出された風景が目に浮かぶし、自分に馴染みのある街がどんな映画に出てくるかとパラパラめくっているだけで楽しくなります。僕の場合だと、生まれた場所である「新宿」、長く住んだ「池袋」あたり、イトコが住んでいて良く遊びに行った「墨田区」あたりのページはよく読んでます。
この「東京映画地図」(キネマ旬報社)は2016年発売(その後、「ラピュタ阿佐ヶ谷」にてこの本に出てくる映画を並べた特集が2回にわたって開催されました)ですが、僕はずっと昔に宮崎さんが出された本を一冊持っています。「二人で映画を」という本で、宮崎さんが「自費出版」されたもので、発行は1983年12月17日です。B5サイズの本で、左ページに宮崎さんのイラストがドーンと載っていて、右ページは文章です。その文章というのが、宮崎祐治さんと、ガールフレンドの藤田美智子さんの往復書簡のようになって
いて、お二人がひとつの映画について感想を述べあっています。あとがきにも「誰かと映画を観た後、喫茶店などでその映画についてお喋りすることがあるけれど、まさにそれを活字にしようと思って作った一冊」と書かれています。したがって「二人で映画を」というわけですが、読むと、なかなか意見が合わなくて、当たり前ですが、人によって映画の見方は全然違うことが分かります。それぞれの趣味や生活や信条、感動のツボ、そこには男女の映画の違いもあるし、なかなか興味深い「共作」本です。『隣の女』(1983 フランソワ・トリュフォー監督)なんて、藤田さんが「こういう物語は好きになれない」と書くと、宮崎さんはのっけから「こういう映画、好きだなあ」で始まったり、この本自体がちょっとスリリングなラヴストーリーのように思えてきます。
取り上げた映画は『レッズ』(1981 ウォーレン・ビーティ監督)から『探偵物語』(1983 根岸吉太郎監督)まで洋画、邦画とり混ぜ84本。宮崎さんはこの本で取り上げる映画を100本と想定していたそうですが、結局84本。しかし、お勤めをしながら1年半で二人で観たのですから結構な本数です。今回の展覧会には、この本の展示はありませんでしたが、僕は長年、愛読しています。
そして、後年「東京映画地図」を購入し、あとがきを読むと、宮崎さんは「妻・美智子」に感謝を述べられていました。ああ、この藤田美智子さんと結婚されたのだなあと何だかあたたかい気持ちになりました。お二人はその後、何本ぐらいご一緒に映画を観たんでしょうか。 (ジャッピー!編集長)
にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!