朝ドラ『なつぞら』は、今週いよいよ、なつ(広瀬すずさん)が上京、東京篇が始まりました。新たな登場人物も出てきてどんな展開になるか楽しみです。
劇中、なつが東京に出てきたのが「昭和31年」と説明されました。敗戦から10年以上が過ぎ、賑わいを見せる新宿に到着します。なつと、洋菓子作りの修業に来た自分の息子(山田裕貴さん)に付き添って来た安田顕さんが、町名表示を見て「ここらは“角筈”だったのになあ」と呟くシーンがありました。戦後、1947年(昭和22年)に「四谷区」「牛込区」「淀橋区」が合併して「新宿区」が生まれたのです。、おそらく、安田さんがかつて修業に来ていたときは戦前でしょうから、そのときは「淀橋区角筈」という地名だったのですね。なつのお兄さん(岡田将生さん)が在籍していた「ムーランルージュ」や、僕が通い詰めた「新宿昭和館」のあたりも「角筈」だったはずです。
その「新宿昭和館」は、1932年(昭和7年)に開館、松竹洋画系の封切館だったそうです。開館日の上映は『ブロンド・ヴィーナス』(1932 ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督)と『お化け大統領』(1932 ノーマン・タウログ監督)。僕は、当時の「新宿昭和館」が発行していた番組紹介の「S.Y. SHOWAKAN NEWS」という小冊子を何冊か持っています。例えば、昭和10年9月5日発行の号(No.119)では『ハンネレの昇天』休憩『シーコウヤ』休憩『今宵も楽しく』というラインナップ。入場料は30銭、50銭とあります。夜の割引は8時からで「1階席20銭、2階席30銭」とありますから、1階と2階で料金が違ったのですね。そして、次週上映として大きくスペースをとって紹介されているのが『ロイドの足が第一』(クライド・ブラックマン監督)で、「ロイド一流の爆笑喜劇 森岩雄総指揮 田村幸彦監督 P.C.L俳優の層出演」と惹句がついているのは「日本語版」ということです。同時上映はロバート・モンゴメリさん主演『愛の隠れ家』(W.S.ヴァン・ダイク監督)です。
最後のページには、系列の映画館として「武蔵野館」「帝都座」「帝国館」「松竹館」「新宿第一劇場」「新宿劇場」と並び「ムーランルージュ新宿座」の名前も並びます。ああ、タイムスリップしたいなあ!
「新宿昭和館」は戦火の激しくなった1944年(昭和19年)には「建物疎開」の対象となって取り壊されてしまいます。そして、戦後の1951年(昭和26年)に再建され、『魔境のターザン』(1945 カート・ニューマン監督)で再オープンします。今週の『なつぞら』で広瀬すずさんたちがやって来た昭和31年には「昭和館地下」がオープン。新東宝の二本立て『隠密七生記』(1956 渡辺邦男監督)と『続隠密七生記』(1956 渡辺邦男監督)を公開しました。映画興行全盛時代で2館に増やした「新宿昭和館」、『なつぞら』に登場してほしいですね。 (ジャッピー!編集長)

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