先日、5月15日に女優の杉葉子さんがお亡くなりになりました。90歳ですが、杉さんには若々しいイメージがあるので残念でなりません。僕は2012年4月に杉葉子さんのトークショーを観たことがあります。「銀座シネパトス」(←この名画座も今はありません……)の「今井正監督特集」のときです。今から7年前ですから、杉さんは83歳でしたが、とてもそんなお歳に見えませんでした。姿勢が良くて、ハキハキと話をされていました。たしか、このときもアメリカにお住まいと言っておられました。
このときに観たのはもちろん『青い山脈』(1949 今井正監督)『続・青い山脈』(1949 今井正監督)です。敗戦後の日本に明るい民主主義の光をともした作品は、主題歌とともに大ヒット。当時ご覧になった方には本当に憧れの映画だったと思います。この「銀座シネパトス」の上映、トークショーにもその年代と思われる方が多く来られて、懐かしそうにスクリーンを見つめていらっしゃいました。
そのヒロイン「寺沢新子」に抜擢された東宝第2期ニューフェイスの杉葉子さんです。このとき21歳の杉さんですが伸び伸びと女子学生の役を演じ(主演の池部良さんは31歳で高校生役!)、まさに新しい時代のシンボルとなりました。このところ当ブログでは、やはり最近亡くなった京マチ子さんのことをよく取り上げていますが、京さんが大映で本格的に映画出演をスタートさせたのも1949年(昭和24年)、タイプは正反対ながら、京さんと杉葉子さん、お二人が登場して「解放された戦後」のイコンというべき存在となったのが象徴的です。京マチ子さんの大映第1作『最後に笑う男』(1949 安田公義監督)(←当ブログ5月22日参照)で、サーカス団員役の京さんはグラマラスな肢体を披露し、肉体によって「抑圧」からの解放を体現しましたが、杉さんは『青い山脈』の中で水着姿を見せます。当時としては、長身でスレンダーな杉さんの水着姿は、京さんと違ってセックスを感じさせませんが、やはり新時代の到来を感じさせます。
僕が杉さんの映画で印象的なのは、『青い山脈』で共演した原節子さんが主演の『東京の恋人』(1952 千葉泰樹監督)です。 『青い山脈』以来、優等生的な役の多い杉さんが街娼役で、体を壊して亡くなるときに手鏡で花火を見ようとするシーンは思い出すだけで泣けてきます。(この映画については、当ブログ2018年10月11日「『東京の恋人』と『万引き家族』の花火」に詳しく書いたのでお読みください)
数々の映画にご出演され、見事な演技を見せて
くれた杉葉子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
(ジャッピー編集長!)
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