蒼井優さんと、「南海キャンディーズ」の山里亮太さんの結婚は世間を驚かせました。まったく噂らしきものもなかったので突然という感じでしたが、今のご時世、交際期間は短いとはいうもののよくマスコミにバレずにいたものです。その点もお見事です。僕もちょうど、蒼井優さんが主演の『長いお別れ』(2019 中野量太監督)を観たばかりだったこともあり、最初にニュースを知ったとき耳を疑いました。
『長いお別れ』は、中島京子さんの原作。僕はちょうど母の認知症のため仕事を辞めたり、いろいろなことで思い悩んでいたときにこの本を読み、深く感動し、何度も繰り返し読みました。さらに、文藝春秋が主催した「アルツハイマー病をもっと知ろう。」というセミナーで中島京子さんが講演するというので申し込んで聴いたりもしました。そんなこともあり、『長いお別れ』の映画化を知り、楽しみにしていて、公開されて即、観に行ったのです。
そしてまた、監督が中野量太さんと聞いてさらに期待が高まったのです。中野量太監督の前作『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016 中野量太監督)も大変良かったし、さらに前、長篇デビュー作の『チチを撮りに』(2012 中野量太監督)がすごくいい映画で、ずっとその力量に注目していた監督だったのです。『チチを撮りに』も『湯を沸かすほどの熱い愛』も「家族」をテーマにした作品だし、特に『湯を沸かすほどの熱い愛』は余命わずかな母親(宮沢りえさん)が、周りの人に愛情を注ぎ、血のつながりとかも関係なく、つながっていく展開が非常に心をうちました。この『長いお別れ』も、認知症になったお父さんを軸にして、周囲の人々それぞれの人生が丁寧に描かれている原作ですから、この監督にピッタリだと思っていたのです。そして、観てその期待は外れませんでした。
原作は三姉妹ですが、映画は竹内結子さんと蒼井優さんの二人姉妹、その他、登場人物を少し減らしたのは、家族が認知症になっても続く日常という部分をより絞ったからだと思います。蒼井さん演じる次女の「芙美」は原作ではフード・コーディネーターでしたが、映画では「移動食堂」をやろうとして失敗してより挫折感の強い役になっていました。その分、芙美が認知症の父(山﨑努さん)に「私、またダメになっちゃった……つながらないって切ないよね……」と語りかけるのがより胸に刺さるシーンになりました。原作では電話で話すのですが、ふたり並んで直に話すこのシーン、蒼井優さんの名演で忘れられないものになりました。本当に、蒼井さんは演技に対し、真摯な姿勢でのぞんでおられるように感じます。  (ジャッピー!編集長)

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