大阪の吹田市で起こった拳銃強奪事件、犯人に刺された巡査の方も少し快方に向かっているとのこと、良かったです。犯人は昔の同級生の住所を騙って110番をかけ、交番に巡査がひとりになったときを狙ったようですが、動機などはまだはっきり分かっていません。
昨日の当ブログで、拳銃を奪われた刑事を粟津號さんが熱演した『俺の拳銃』(『大都会PARTⅡ』の一篇)を取り上げました。この作品では、犯人が個人的な恨みから「悪」を駆除しようと拳銃を奪ったのでした。
昨年観た映画で『銃』(2018 武正晴監督)がありました。僕は武正晴監督の作る映画が好きで、安藤サクラさんがロバート・デ・ニーロさんばりの肉体改造で女性ボクサーを演じた『百円の恋』(2014 武正晴監督)や、プロレス業界を舞台にした『リングサイド・ストーリー』(2017 武正晴監督)など僕の好みの映画でした。今年公開された、夏帆さんがダメ女子アナを演じた『きばいやんせ、私』(2019 武正晴監督)も良かったです。これらの作品はコメディ・タッチで、ハート・ウォーミングなドラマですが、中村文則さん原作の『銃』は冷え冷えとした感触の緊張感みなぎる作品でした。
村上虹郎さん扮する大学生がふと銃を拾って持ち帰ります。アパートの部屋に住み、ナンパな友人(岡山天音さん)に誘われ合コンに出て知り合った女性と適当にセックスをしたり、一方では大学の同級生(広瀬アリス)さんとは大事に付き合ったりもしているごく普通の大学生です。それが「銃」を手に入れ、ちょっと何だか心に余裕というか、微妙な変化が起こります。そういった内面の揺れ動きを村上さんが見事に演じていました。
公園で猫を撃ったことから、早くも警察が目をつけます。リリー・フランキーさん演じる刑事と対峙するシーンはすごいです。リリーさんが飄々と、しかし凄みのある空気を醸し出し、「銃は持てば撃ちたくなる。初めは猫でも、次は人を撃ちたくなるものです」と言う台詞が印象的です。
この作品、ずっとモノクロ映像で、ラストだけ突然カラーになります。このシーンにお父上の村上淳さんが出ていました。
この衝撃の結末は夢なのか、現実なのか……。村上さんの演じる大学生は、ある種、満ち足りていますが、特別な刺激があるわけではありません。殺したいほど憎んでる相手がいるわけでもなく、貧困や差別といった社会への憎悪もありません。そういった意味では「連続射殺魔」の「永山則夫」さんとは遠い隔たりがあります。しかし、その「所在のなさ」こそが、「銃」という力を手にしたことで満たされた気にさせてしまう怖さがあります。 (ジャッピー!編集長)
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