ひとつ前の当ブログで、大河ドラマ『いだてん』に昨日、高橋是清役で萩原健一さんが出ていたことを書きました。4月4日にNHK「クローズアップ現代」で放映された『ショーケン最期の映像 8年の素顔』を観ても、おそらく、もう体の調子は相当悪かっただろうということが分かります。それでも、体から発するオーラがハンパでなく、見事に首相役を演じていました。ショーケンのことだから、高橋是清のことも調べて、しっかり役作りされていたと思いますが、この眼光、存在感はショーケン自身の積み重ねた人生が熟成したものでしょう。生きていれば、これからどんな演技を見せてくれたか……あらためて残念に思います。
少し前に『エリカ38』(2019 日比遊一監督)を観ました。これには、昨年亡くなった樹木希林さんが出ておられます。この作品、62歳の女性が38歳と偽って資産家にウソの投資話を持ち掛け、何億円も騙し取った事件を基にしています。タイで逮捕されて、妙に若作りした格好が映し出され、ワイドショーなどで話題になりましたから覚えている方も多いと思います。この女性を演じるのが浅田美代子さんで、浅田さんのデビューとなった『時間ですよ』で共演以来、可愛がってもらった樹木さんが生前、浅田さんに主演を勧め、監督も決めるなどお膳立てしていたそうです。そして、ご自身も浅田さんの年老いた母親役で出演されています。
ちょっと変わった構成で、エリカ(浅田美代子さん)がどんどんお金を騙し取る過程が描かれる中、取材する窪塚俊介さんの質問に対して、被害にあった人たち(古谷一行さん、小松政夫さんなどが演じます)の証言が時折挿入されます。ワイドショーなどでは、スキャンダラスで一面的な部分でしか捉えられないのを、いろいろ多角的にアプローチしていくようで、一種のマスコミ批判になっています。古谷さんが「松葉杖ってあるでしょ。あれと同じだね……。あのとき(投資したとき)はそれが自分の支えになると思ったんだね……」などと言います。もちろん、怒り狂った投資家たち(佐伯日菜子さんなど)がエリカを責め立てるシーンもあります。るのですが、全体的には、「元を言えば、エリカも被害者のひとり」という論調が意外に多いのです。エンドロールには、実際の被害者の声も流れますが、そこでも「私たちもエリカになっていたかもしれない」という意見がありました。
劇中、エリカが子供時代、暴君そのものの父親、従うだけの母親のもと、貧しい生活を送っている回想シーンりますが、そこにテレビから流れる「1970年の万博」の映像がかぶさります。「人類の進歩と調和」を謳ったイベントから約50年、結局、日本が拝金主義の、「金」だけに幸せを見い出す国になったことを示すようです。なるほど、希林さんはこれが言いたかったのかなあと思ったのでした。
これが希林さん最後の作品かと思ったら、8月には『命みじかし、恋せよ乙女』(2019 ドーリス・デリエ監督)というドイツ人監督の作品にも出ておられるようです。病魔におかされながら、最後まで演じることを全うされたのです。 (ジャッピー!編集長)
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