9月1日(日)に川越にある「丸広百貨店」の屋上にある「遊園地」が閉園になったというニュースを、先日テレビで観ました。「丸広百貨店」には行ったことはありませんが、映像で観るかぎり、典型的な地方デパートという感じの佇まいでした。だいたい「百貨店」というのがいいですよね。また、その屋上遊園地も「わんぱくランド」という名前で、これも昭和感があります。

そう、かつてはデパートの屋上にはちょっとした遊園地があって子どもにとっては大きな楽しみでした。僕が育った池袋の「西武デパート」の屋上にも遊園地があって、メリーゴーランドとかあったのを覚えています。いつ頃無くなってしまったのか……その後、しばらくポッカリ空間が空いていてちょっと淋しい屋上になりました。今は「屋上庭園」と銘うって植物園みたいになっています。うどんとかの店が並んだフードコートは健在ですが、しばらく行っていません。

あと、東京で有名なのは浅草の「松屋デパート」の屋上遊園地ですね。土星の輪のような円形で回転する「スカイクルーザー」が有名で、映画にもたびたび出てきますね。僕がいちばん印象に残っている映画は『下町(ダウンタウン)』(1957 千葉泰樹監督)です。林芙美子さん原作で、子どもを抱えながら戦地から帰ってこない夫を待っている女性を山田五十鈴さんが演じます。芸者とか婀娜っぽい「玄人」女性を演じることも多い山田さんですが、ここでは貧しくひっそりと暮らす市井の女を見事に演じます。大女優に対して当たり前ですが、本当にすごい!と感心しました。この女性は「お茶」の行商をして糊口をしのいでいますが、あまり売れません。ふと寄ってみた鉄くず集積所でお茶を買ってくれた運転手(三船敏郎さん)と親しくなります。ある日、二人が子どもを連れて遊びに行くのが「松屋デパートの屋上遊園地」です。乗り物に乗って嬉しそうに手を振る男の子を優しく眺める山田さんと三船さん。庶民が子どもを喜ばそうとする精いっぱいの気持ちで連れてきたのが「屋上遊園地」で、そこにはささやかな幸福感に満ちていたのです。

屋上というのは、子どもにとっては何となく心躍る場所でしたが、今や大資本の遊園地やテーマパークがあるし、少子化、レジャーの多様化などで「屋上遊園地」はその役目を終えたのかもしれません。山広百貨店の「わんぱくランド」閉園は「建物の老朽化のため工事をするので資材置き場になる」ことが理由となっていました。ニュース映像では、訪れた人たちが口々に「今まで当たり前にあった場所がなくなり淋しい」「小さいときから来ていたので無くなってほしくない」と惜しんでいました。閉園後、遊具に「ありがとう」と書き込みをする人も多くいました。地元で近い所に気軽に遊びに来ていた人たちにとっては思い出がいっぱい詰まっていたと思います。またひとつ、昭和の風景が消えていきます。 (ジャッピー!編集長)


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