昨日の当ブログで触れた『アルキメデスの大戦』(2019 山崎貴監督)は、海軍内部の対立から始まります。山本五十六(舘ひろしさん)が、島田少将(橋爪功さん)が巨大な「戦艦」(のちに「大和」となる)を建造しようとするのに待ったをかけようとします。山本が主張する「空母」が建造費9000万円なのに対し、巨大であるのに加えて、これまでにない超豪華な「戦艦」の建造費の見積もりが8000万円。そんな低いはずはないと、天才数学者(菅田将暉さん)が並外れた計算力を駆使して「不正」を暴くのです。

しかし、この時代の8000万、9000万というのは莫大な金額です。今だったらいくらぐらいになるでしょう。当時の1円は今の2000円ぐらいと言われていますから、換算してみてください。とんでもない金額です。もちろん国民の税金です。血税です。当時は昭和恐慌、農村も不作で娘を売ったりしなければ飢え死というような悲惨な状況だった中、膨大な軍事費が占めていたのです。その予算を軍内部で取り合うのが物語の起点なのです。国のために、と言いながら、そこに血税を払った「国民」は不在です。

菅田将暉さんの超人的な活躍で、「不正」は暴かれますが、結局は「戦艦大和」は作られます。会議のあと、戦艦建造技術者の田中泯さんは菅田さんに「この戦艦が沈められるところを見れば、日本は戦争をやめられるんだ……」というようなことを言います。田中さんも菅田さん同様、アメリカの国力には勝てないと思っているのでした。それでも、戦争に突き進んでしまうことが避けられないなら「敗北」を知らしめるために「大和」が必要だと説くのです。「戦争」なんていかに無駄で無益なものかという視点は貫かれている気はしますが、そのために税金を使われ、貧困にあえぎ苦しむ国民のことはどう考えていたのでしょう。

そして、この映画を観ている2019年の日本はどうなっているかというと、アメリカからのためにマス席まで取っ払って相撲を見てもらい、メシだゴルフだと大接待、そんな「おもてなし」報道の陰で、1機100億円以上もする「ステルス戦闘機」を105機も購入、トランプからしたら、こんな楽なビジネスはないでしょうな。もう異様な大量購入です。税金を使ってこんな爆買いをされたのに、マスコミの報道は、トランプのためにマス席まで取っ払って相撲を見てもらい、何を食ったとか飲んだとか、そんな「おもてなし」報道ばかり。前に本で読んだことがありますが、スイスなんかは直接民主制をとっているから、予算額を示した上で購入価格が適切か国民投票で決められるといいます。議会制民主主義をとっている日本では、その価格が適切かとか、税金はムダ使いされていないかなど、そういう視点で議論されているんでしょうか。当初の予定よりどんどん膨れ上がる東京オリンピック、パラリンピックの予算だってそうですね。そして、一方では「老後2000万円必要」とか言っているし。

ちなみに、今年の参院選でアベ晋ゾーが例によって秋葉原で街頭演説に立ったとき、自分にヤジを飛ばす市民を排除するためにテロなど緊急事態用の「公安機動捜査隊指揮官車両」を配備しました。これって配備するのに1千万円かかるそうです。他にも尋常じゃない人数の機動隊員や警官を出動させたから、総額何千万かが使われたでしょう。これも税金です。国民の意向もきかず勝手に自分の警備に血税使うんじゃないよと、チコちゃん風に憤ってしまいますね。そんなにヤジが怖くてビビっちゃうなら、私費で警備費払ったらどうですか、アベちゃんよ。  (ジャッピー!編集長)

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