昨日、一昨日と『アルキメデスの大戦』(2019 山崎貴監督)に触れました。戦前の日本が舞台ですが、観ているうちに、どうしてもアベ独裁政権のことを考えてしまうのは、やはり映画というのは作られた時代と不可分だということでしょう。時代劇だろうが何だろうが、それを作った「今」が反映されてしまうものです。

この『アルキメデスの大戦』には、昨年1027日に亡くなった角替和枝さん(当ブログ20181228日「追悼・角替和枝さん」を参照)がちょこっと出ておられます。映画のタイトルロールの最後に“in memory of 角替和枝さん”と出ますから、遺作ということになるのでしょうか。映画の初めの方で、菅田将暉さんが家庭教師をしていた女子学生の父親が軍と結託している会社社長と知って、辞めて「汚い金を使い果たしてやる」と芸者をあげて飲んでいる場面がありました。ここで偶然、山本五十六(舘ひろしさん)が菅田さんと出会うのですが、この料亭の女将?の役で角替さんが出ていました。この映画、いきなり少佐で軍に迎えられた菅田さんに就く部下で柄本佑さんが出ています。最初は菅田さんの変人ぶりに呆れる柄本佑さんでしたが、不正を見つけようと真摯に取り組む菅田さんに共感を覚え、協力していくようになります。堅苦しい軍人から、次第に菅田さんに友情を覚えていく青年へと好演を見せます。お母さんの角替さんと一緒に出るシーンはなかったと思いますが、親子共演作が遺作となったわけです。

その柄本佑さん主演の『火口のふたり』(2019 荒井晴彦監督)を先日、観ました。こちらは『アルキメデスの大戦』から一転、全編ほとんどセックスシーンで、柄本さんと瀧内公美さんのからみが本当にやっているような濃厚さでした。観ているこちらは、羨ましくもあり、大変だなあとも感じたり……。かつてのロマンポルノのテイストにやはり「今のこの国」への視座があり、荒井さんらしい作品でした。

柄本佑さんと瀧内公美さんのほぼ二人だけのキャストですが、柄本明さんが「電話の声」で出演?されています。僕は『火口のふたり』を新宿武蔵野館で観たのですが、柄本明さん主演の『ある船頭の話』(2019 オダギリジョー監督)の予告編がかかりました。昨日からは3館がある「新宿武蔵野館」で柄本明さん、柄本佑さんがそれぞれ主演の2作がかかっているわけです。もう大活躍の親子ですね。朝ドラ『なつぞら』に演劇部の先生役で佑さんが出ていましたが、昨日は劇中アニメ「大草原の少女ソラ」のナレーターで安藤サクラさんが声出演されたので「夫婦共演」。サクラさんは朝ドラ前作『まんぷく』の主演でしたが、後半に少しですが奥田瑛二さんが出てましたから「親子共演」、佑さんの弟、柄本時生さんは大河ドラマ『いだてん』に出ていますから、NHKは柄本・安藤一家が途切れることなく出ているような印象です。

僕は昔、「東京乾電池」のお芝居を4回ほど観たことがあります。最後に観たのは『お父さんの海水浴』という作品で1989年7月の紀伊国屋ホールでしたから、もう30年も前です。そのときは、柄本明さんやその家族が映画、ドラマで大活躍を見せるとは夢にも思いませんでしたが、今や映画、ドラマ界に欠かせない存在です。昨年度は「キネマ旬報」の主演男女優賞を柄本佑さん、安藤サクラさんの夫婦が受賞(当ブログ2019年2月11日参照)しましたし、安藤桃子さんも良い映画を監督されています。まだまだこの一家、一族の仕事に期待が高まります。 (ジャッピー!編集長)

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