昨日の当ブログで、「桜を見る会」でスガと一緒に写っている反社会的勢力の人たちはおそらく政権に飼われていて「仕事」をこなしている「功績」で招かれていただろうということを書きました。「権力」というのは、敵対勢力を潰すためには手段を選びませんからね。当ブログ1119日で取り上げた『アイリッシュマン』(2019 マーティン・スコセッシ監督)もそうでした。「全米トラック運転手組合」の委員長という絶対的な地位にいるジミー・ホッファ(アル・パチーノさん)はマフィアの力を借り、デ・ニーロさんを殺し屋に仕立て様々な「仕事」をさせます。

この『アイリッシュマン』は総製作費173億円、撮影に106日もかけた大作ですが、製作は「Netflix」で、僕が観たのは現在一部劇場での「先行公開」ということです。昨日1127日から全世界同時配信だそうですが、こういう映画、大きなスクリーンで観てこその映画じゃないでしょうか。僕はネット配信とかは無縁なので、とにかく劇場で観れて良かったです。

同じように、大きなスクリーンで観なきゃダメな作品が『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト』1968 セルジオ・レオーネ監督)です。先月観たのですが、この突然のリバイバル上映、明らかに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019 クエンティン・タランティーノ監督)のタイトル繋がりでしょうね。元々、この『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト』は日本公開時は『ウエスタン』という題名でしたから、ある意味「便乗」ですが、こういう「便乗」なら大歓迎です。

僕もこの映画を観るのは久々でしたが、また変な言い方ですが「昭和」の映画を感じたのです。冒頭、荒野にポツンと建っている駅に3人のならず者がいるのですが、セリフもないし、何を待っているかも分からないままこの所在ない様子を延々と映し出します。この3人を演じるのはジャック・イーラムさんなど脇役として知られた俳優さんたちですから、何が起こるんだろう……と凝視しても何も始まりません。と思っていると、チャールズ・ブロンソンさんが現れて、あっさりとこの3人組を片付けます。そう、ジャック・イーラムさんとかはゲスト出演という感じでここで登場場面は終わり。謎の男・ブロンソンさんも無口でいったい何者なのか……と、この長いプロローグで映画の中に引き込まれていきます。今だったら、たぶんプロデューサーが怒りだしでしょうね、「ムダなシーンだ! 最初からドンパチ、派手にいけよ!」とかいって。そうですね、最近の映画というのは、最初からクライマックスのような派手なシーンで始まって、ずっとその剛速球で押すという感じですよね。それだから、かえって単調になって、観た後は案外に「残らない」というものが多いような気がします。僕はどうもそういう昨今の「映画のリズム」に合わないのです。昭和の頃は、いきなり派手に「ツカミ」を提示するような作品は少なかったし、映画に緩急というかリズムがあったと思います。そんな僕から観ると、止まっている車がゆっくりと動き出すように観客をドラマの世界に引き込む『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト』は非常に肌に合いました。

そして、『アイリッシュマン』同様、ブロンソンさん、黒づくめの衣装の殺し屋・ヘンリー・フォンダさん、とぼけた感じでいい味を出すジェイソン・ロバーズさんなど、いずれもいいツラ構えで大きなスクリーンに存在感が際立ちます。また、劇中、クラウディア・カルディナーレさんが小さな馬車に乗って婚礼先に向かうシーンで、バックにモニュメント・バレーがバーン!と映るショットなど、鳥肌が立ちました。こういう感動は、大きなスクリーンで観ないと絶対得られないと思います。久々に「映画を観たなあ」という昭和的な満腹感をおぼえて劇場を出たのでした。  (ジャッピー!編集長)

 

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