今年8月3日に、女優の白石奈緒美さんが亡くなりました。84歳です。最近の映画などではお見かけしませんでしたが、名画座で古い映画を観ると、けっこう観ることがありました。『美女と液体人間』(1958 本多猪四郎監督)なんかにも出ていたなあ。個性的な女優さんでしたから「あっ、これにも出てた」と見つけることも多かったです。詩人の白石かずこさん(篠田正浩監督の最初の奥さんです)の妹で、お姉さんより先に亡くなってしまいました。

ちょっとキツいお顔立ちなので、悪女ぽい役も多かったように思います。たしか、何か子ども向けの特撮ヒーローもので悪の女王的な役をやられていた気もします。脇役の多かった白石奈緒美さんが主役を演じた映画があり、僕は個人的にとても思い出に残っています。それは『女医の愛欲日記』(1973 深尾道典監督)です。これは東映作品ですが、添え物としてひっそりと公開され、ひっそりと上映が終わっていた小品で、低予算、上映時間も50分くらいというものです。成人映画ということもあって、なかなか名画座にもかからなかったのですが、僕はとても観たかったのです。もちろん、スケベ心からですが、他のポルノ映画と違って、白石奈緒美さんという、インテリ女優が主演ということも強く興味をひかれたのでした。しかも、共演に佐藤慶さん、小松方正さん、渡辺文雄さん、戸浦六宏さんといった名前が並んでいたのも、僕の「観たい」願望に拍車をかけました。僕はその頃、大島渚監督作品が大好きでよく観ていたのです。その大島作品の常連俳優が揃って出ているのは、深尾道典監督は、名作『絞死刑』(1968 大島渚監督)の共同脚本に名前を連ねていた人です。そんな関係で、深尾さんの監督デビュー作を祝福するようにこぞって出演となったのでしょう。

なかなか名画座にかからず、これはもう観ることできないかな……と自分の中で幻の映画になりかけた頃、突然、成増にあった古い名画座にかかることを「ぴあ」で発見したのです。それを見つけたときは「ついに!」という感じで、しかも比較的、家に近い「成増」で上映されるのは「観たい、観たい」という僕の気持ちが引き寄せたのかと思いました。そして、日曜日にその映画館に行き、念願かなって観た『女医の愛欲日記』のいやらしさはかなりのものでした! 白石さん演じる女医が学会に出るため出張するたびにホテルにコールボーイというか体を売る男を呼んで快楽に耽るというもので、そのコールボーイを演じる佐藤慶さんとのベッドシーンも相当濃厚でしたが、冒頭、白石さんが全裸で乗馬したり、なぜかホテルに山羊が現れ全裸の白石さんと絡み合うというシュールなイメージ場面が鮮烈に焼きついています。当時の僕のリビドーは爆発寸前でした!

実際にあった事件をモデルにしているのですが、当時38歳の白石さんの熟女ヌードがすごいリアル度を増していて忘れられない映画になりました。これ一度のチャンスだと思って、いつも以上に真剣に観たせいもあるかもしれません。ずっと後になって、ラピュタ阿佐ヶ谷で「佐藤慶特集」のときに何とニュープリントしてくれて上映されました。観に行くと、鮮明に覚えていました! 

そののちは『愛のコリーダ』(1976 大島渚監督)にも出演されていました白石奈緒美さん、上に書いたように僕の思い出に深く残る女優さんでした。心よりご冥福をお祈りいたします。 (ジャッピー!編集長)

にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!