昨日の当ブログで書いたように、池袋の新文芸坐で12月5日より「芦川いづみ映画祭」が開催中です。僕のミューズ、芦川いづみさんを大きなスクリーンで観ようと今日も行きました。すると、ポスターに何と、芦川さんの直筆サインが! 「新文芸座さんへ 201912.6」と添えられていますから、今日、芦川さんが書いたものです。思わず、スタッフの方に「まさか、芦川さんが来たのでは……」と思わず前のめり気味に尋ねてしまいましたが、もちろん、芦川さんが新文芸坐にいらしたのではなく、日活経由で届けられたサインでしたが、何だか嬉しくなるのです。

さて、明日7日の「芦川いづみ映画祭」の上映作品は『ジャズ・オン・パレード1956年 裏町のお転婆娘』(1956 井上梅次監督)と『ドラムと恋と夢』(1956 吉村廉監督)の二本立てです。実は『ドラムと恋と夢』は、芦川さんは特別出演みたいなもので出番はごくわずかなのですが……。ヒロインは中原早苗さん。両親を亡くし、しばらくして眼が見えなくなってしまった女の子です。3万円で手術が受けられると、ようやく貯めたお金を持って上京しますが、悪い人に騙され持ち逃げされ一文無しになってしまいます。盲目の中原さんは絶望で死にたくなってしまいます。そんなとき、サーカスというか「見世物小屋」の口上が「“蛇男”に丸のみされると痛くないように死ねるよ」なんて言っているのを真に受けて訪ねます。「蛇男」の中に入っているのがフランキー堺さんで、中原さんを気にかけいろいろ話しかけます。しがない「蛇男」に入っているサーカス団員なのに、フランキーさんは「自分は作曲家で、指揮もするし、ドラムも叩けるんだ」とウソをつきます。目の見えない中原さんは「どんな人かしら?」と想像し、生きる望みを抱きます。

フランキーさんは「プロレスラーに勝ったら賞金30000円」という催しを知り、手術代を稼ごうと出場します。プロレスラーを演じるのは太っちょの市村俊幸さんで、フランキーさんはとても勝てそうにありませんが、仲間の木戸新太郎さんがフランキーさんのために「興奮剤」を買ってきて、これで勝たせようとします。ここで「興奮剤」と「睡眠薬」を間違えたりドタバタがあるのです……。と、ここまで書けば賢明な読者の皆さんにはもうお分かりですね。これはチャップリンの名作『街の灯』(1931 チャーリー・チャップリン監督)をモチーフにしています。盲目の少女のために奮闘するフランキーさんに笑えて、ちょっとホロっとさせられます。

日本人の好みに合うのでしょう、『街の灯』というのは実に多くの日本映画のモチーフになっていますね。他にも、香川京子さんが盲目のお姫様を演じた『かげろう笠』(1959 三隅研次監督)や、トニーこと赤木圭一郎さんの遺作『紅の拳銃』(1961 牛原陽一監督)では笹森礼子さんが盲目の女の子に扮していました。中でも、この『ドラムと恋と夢』は最も『街の灯』に近い、というかそのままといっていい作品です。さて、芦川いづみさんはどこに出てくるかというと、手術を終えた中原さんの包帯をとる看護婦さんの役で、女医の北原三枝さんとともにちょこっと登場します。出番はわずかですが、白衣姿がまぶしいです。  (ジャッピー!編集長)

 

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 昭和レトロへ にほんブログ村
おもしろいと思ったら、クリックしてください!