昨日の当ブログ「追悼・和田誠さん」で書いたように、和田誠さんはご自身で映画を監督されています。デビュー作は『麻雀放浪記』(1984 和田誠監督)です。1980年代半ばにあえてモノクロ映像というのは、終戦直後という時代をあらわすためであると同時に、ご自身が観てきた映画歴の中で「モノクロこそが映画の原点」というこだわりからです。音楽の使い方といい、登場人物の周りをグルグルと動くカメラワークがあったりと、もうほとんどベテラン監督のような完成度でした。僕は麻雀はやらないのですが、当時の同僚で麻雀好きにきくと、麻雀やっている最中によく「明日は雨かな……」という高品格さんのセリフを真似する人がいたそうです。

異業種監督というのがずいぶん登場した時期でしたが、和田さんは群を抜いていました。それは、若い頃からの映画鑑賞の蓄積が大いに生きていたからでしょう。2作目の『快盗ルビイ』(1988 和田誠監督)はロマンチック・コメディで、ミュージカル・シーンもあり、古き良きハリウッド映画へのオマージュに満ちた幸福感に満ちた映画でした。『怖がる人々』(1994 和田誠監督)は恐怖をテーマにしたオムニバスですが、原作のチョイスが面白かったなあ。『しずかなあやしい午後に』(1997 和田誠、椎名誠、太田和彦監督)もオムニバスで和田誠さんは第1話の『ガクの絵本』を監督。そして、最後の監督作となった『真夜中まで』(2001 和田誠監督)は主人公の巻き込まれ型というヒッチコック調のサスペンスで、さらに劇中の時間と上映時間が一致するという『真昼の決闘』(1952 フレッド・ジンネマン監督)スタイルで、やっぱり和田さんの映画についての引き出しの多さが十二分に活かされていましたね。

以上のうち、『麻雀放浪記』と『快盗ルビイ』に短編アニメ『怪盗ジゴマ 音楽篇』(1988 和田誠監督)を合わせた3本が、今日1212日(木)から14日(土)まで池袋の新文芸坐にて上映されます! 「和田誠さん追悼上映 映画の夢をありがとう」と題した特集上映です。そして、初日の1212日は新文芸坐の「開館記念日」でもあります。(小津安二郎監督のお誕生日及びご命日と一緒です)20001212日にオープンしましたので19周年となります。

実は、和田誠さんは新文芸坐と縁が深く、入口(モギリ)の前のガラスの壁面に和田さんが描いた名作映画のイラストが飾られているのです。是非、ご来館して和田誠さんの素晴らしいイラストの数々をご覧ください!  (ジャッピー!編集長)

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